コマツ 様
ピッキング作業の効率化と安全対策を両立させた部品物流の新ソリューション
コマツ(株式会社小松製作所)様は、生産改革の一環として栃木工場内に、ケース自動倉庫のラックサイドでのピッキング作業にプロジェクションマッピング技術を活用した新システムを導入しました。
建設・鉱山機械やフォークリフト、産業機械などの総合メーカーであるコマツ様(本社:東京都港区)は、国内12の生産拠点を有し、その中で栃木工場(栃木県小山市)は国内で唯一、小型建設機械とフォークリフトについての開発から生産までを一貫して行っています。
同工場は、1968年に開設された後、コマツグループ内での生産集約や移管が行われる中で、工場内に多くの小規模建屋が点在し、生産や物流の効率低下、建屋老朽化などが課題となっていたことから、2014年に生産改革を開始しました。
既存建屋の統廃合などで分散していた機能を集約し、工場内の物流を整流化しています。その一環として物流棟(生産車両の部品保管)の解体を進めるため、同機能を増強しつつ組立工場増築エリアに移管していくこととなりました。
2018年、まずは組立工場に在庫保管とピッキング作業の効率化を両立するシステムとして「シャトルラックM」を導入しました。シャトルラックMは、特定の機種専用の中小型部品を約6,600アイテム保管しています。作業者は定位置でのピッキング作業が可能になり、作業効率が大幅に向上しました。
またシャトルラックMは、入出庫能力が高いことも特長の一つです。物流棟では生産計画に合わせて、これまでも自動倉庫を用いてピッキング作業を行っていましたが、処理能力が低かったため、入庫作業が集中する昼間は出庫作業ができない点が課題でした。生産ラインへの部品供給が深夜0時近くになっていましたが、同システムの導入により、処理能力が向上したことから、今では短時間の残業で対応できるようになりました。
ポイント
- 歩く・探す手間を減らし、ピッキング作業を効率化
- 視覚的に分かりやすい作業指示でミスを低減
- 各種センサーによる安全対策を実施
色や文字情報などによる多彩なピッキング指示が可能に
同社では、さらに2020年にケース自動倉庫「ファインストッカー」のラックサイドでのピッキング作業にプロジェクションマッピング技術を活用した日本初のシステムを導入しました。生産技術課の山﨑郁夫様は「このシステムの採用にあたっては、ダイフクが全体的な取りまとめ役になってくれたことで、スムーズに導入することができました」と実現に至った経緯を説明します。
ファインストッカーでは、常時在庫しておく部品を現在1,500アイテム保管しています。ラック側面をピッキング間口にして、12のピッキングエリアで、計240間口を設けています。新システムを採用したことで、一般的なデジタル表示器に比べて、ピッキング数量だけでなく供給先や対象機種、部品の品番など、多彩な情報の表示が可能になりました。各エリアにはポカヨケセンサーが備わっており、間違った間口からピッキングしようとすると、エリア全体の間口が赤色に光るとともにブザーが鳴り、作業者にピッキングミスを知らせます。
本システムの対象部品はこれまで、物流棟の自動倉庫から一定数を出庫し、組立工場内の中量棚に供給してから、さらにそこで仕分け作業を行っていたため、作業に時間が掛かり、ピッキングミスも多くなっていました。システム導入後は、自動倉庫からの出庫の際に、決まった順番で各エリアの間口からピッキング作業が行え、直接生産ラインへの供給が可能です。「手元のリストを見ることなく、切り替わる表示の色と文字情報を見ることで、簡単に3台分の部品をまとめてピッキングすることができ、効率化が図れるとともに、ピッキングミスはほとんどなくなりました」と山﨑様はその効果を語ります。
安全面では、各エリアにゾーンセンサーとエリアセンサーを設置することで、作業者がいるエリアにはスタッカークレーンが荷物を出し入れしないようにするなどの対策を講じています。
お客様の声
生産本部 栃木工場 生産部 生産技術課 山﨑 郁夫様
自動倉庫を導入するなどして、ラインサイドへのタイムリーな部品供給や効率的な生産体制を実現していく考えです。
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