生物多様性保全

ダイフクグループ 生物多様性に関する行動指針

基本的な考え方

ダイフクグループは、生物多様性保全への対応を、持続可能な社会の実現のために取り組むべき重要なテーマと認識しています。「ダイフクグループ環境方針」および「ダイフク環境ビジョン2050」のもと、中長期的な視点に基づく具体的な年次計画の実行によって「自然資本に与える負の影響ゼロ」を目指します。

行動指針

理解する
  • 計画的な教育・啓発を行い、グループ全役員・社員が生態系サービスの持続可能な利用や生物多様性保全の重要性について理解を深めます。
  • 国際的なガイドライン等を参照し、原材料調達から製品の廃棄に至る全ての事業活動が、生物多様性へ与える影響の把握・評価に取り組みます。
行動する
  • 生物多様性の保全に関する法規制や国際的なルールを遵守し、行政、NPO/NGO、地域住民、取引先、社員など多様なステークホルダーと連携・協働します。
  • ものづくりにおけるCO2排出量の削減や資源循環の促進、有害物質削減などにより生物多様性への負の影響を最小化します。
  • 土地の利用において周辺地域の生態系に配慮するとともに、各拠点で生物多様性の保全につながる取り組みを行います。
開示する
  • 自然資本に関する情報や生物多様性保全への取り組み情報を積極的に開示し、ステークホルダーとコミュニケーションを図ります。

制定:2023年8月31日

主な取り組み

ダイフクと生物多様性の関係性

当社では、事業活動と生態系との関係性を明確にするため、製品プロセスや土地利用などと生態系との関係を一覧できる「ダイフクと生物多様性の関係性マップ」を作成しています。このマップにより、自然豊かな滋賀事業所での土地利用における生態系への影響を注視し、生物多様性に配慮した活動を行っています。

ダイフクと生物多様性の関係性マップ

滋賀事業所での保全活動

滋賀事業所は滋賀県下最大級の敷地面積を有する工場です。事業所内の生態系調査の結果、1,000種以上の在来種のほか、環境省レッドリストおよび滋賀県レッドデータブックに掲載されている野生生物が70種以上確認されています。この豊かな自然環境を将来に引き継ぐため、社内外のコミュニケーションを促進する「結いプロジェクト」を通じて、さまざまな生物多様性保全の取り組みを進めています。

  • 結いプロジェクトとは、生物多様性保全を通じて、「水と緑」「自然と人」「人と人」を結び付ける諸活動

生態系調査結果(絶滅危惧種、希少種など)

滋賀事業所内で生息または生育する野生生物のうち、「環境省レッドリスト2020」および「滋賀県レッドデータブック2020年版」において、絶滅のおそれのある種として掲載されている種は以下の通りです。

環境省レッドリスト2020
絶滅危惧II類(VU):絶滅の危険が増大している種
準絶滅危惧(NT):現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種

(2023年4月時点)

カテゴリー 分類 種和名 種数
絶滅危惧II類(VU) 鳥類 ハヤブサ 1
両生類 ヤマトサンショウウオ 1
昆虫類 トゲアリ 1
植物 キンラン、キキョウ 2
準絶滅危惧(NT) 鳥類 マガン、ハチクマ、ハイタカ、オオタカ 4
爬虫類 ニホンイシガメ 1
両生類 トノサマガエル 1
昆虫類 ネアカヨシヤンマ、キイロサナエ、フタスジサナエ、オグマサナエ、ミヤケミズムシ、コシロシタバ、スジヒラタガムシ、ミユキシジミガムシ、クロマルハナバチ 9
植物 ヒメコヌカグサ、イヌタヌキモ 2
合計 22
  • ハヤブサ

    ハヤブサ

  • キキョウ

    キキョウ

  • ニホンイシガメ

    ニホンイシガメ

  • オグマサナエ

    オグマサナエ

  • キンラン

    キンラン

  • トノサマガエル

    トノサマガエル

  • トゲアリ

    トゲアリ

  • イヌタヌキモ

    イヌタヌキモ

滋賀県レッドデータブック2020年版
絶滅危機増大種:県内において絶滅の危機が増大している種
希少種:県内において存続基盤が脆弱な種
要注目種:県内において評価するだけの情報が不足しているため注目することが必要な種
分布上重要種:県内において分布上重要な種
その他重要種:全国および近隣府県の状況から県内において注意が必要な種

(2023年4月時点)

カテゴリー 分類 種和名 種数
絶滅危機増大種 鳥類 マガン、ハチクマ 2
昆虫類 ネアカヨシヤンマ 1
植物 タヌキマメ 1
希少種 哺乳類 カヤネズミ 1
鳥類 ヨシガモ、ミコアイサ、カイツブリ、アオバト、バン、ホトトギス、イカルチドリ、コチドリ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、アオバズク、チョウゲンボウ、ハヤブサ、セッカ、ルリビタキ、キビタキ、タヒバリ、ベニマシコ、ウソ 20
爬虫類 ニホンイシガメ 1
両生類 ヤマトサンショウウオ 1
昆虫類 オツネントンボ、カトリヤンマ、フタスジサナエ、オグマサナエ、エゾトンボ、キトンボ、ミヤケミズムシ、ミズカマキリ、クロマルハナバチ 9
植物 コヒロハハナヤスリ、キンラン、タチコウガイゼキショウ、イヌタヌキモ、オケラ 5
要注目種 哺乳類 ニホンザル 1
鳥類 コサギ 1
爬虫類 ニホントカゲ、ジムグリ、ニホンマムシ 3
両生類 ニホンアカガエル、トノサマガエル、ヌマガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエル 5
魚類 ギンブナ 1
昆虫類 トラフトンボ、ヨツボシトンボ、ハッチョウトンボ、クロカタビロオサムシ、シラホシハナムグリ、ヘイケボタル 6
分布上重要種 昆虫類 コノシメトンボ、ウスタビガ本土亜種、オオセンチコガネ、クロカナブン、タマムシ 5
その他重要種 鳥類 コシアカツバメ 1
魚類 ドンコ 1
昆虫類 アオイトトンボ、キイロサナエ、ナツアカネ、ヒメアカネ、ハルゼミ 5
植物 コガマ、マメスゲ、サトヤマハリスゲ、マツカサススキ、ヒメコヌカグサ、コムラサキ、キキョウ 7
合計 77

結いの森整備

「結いプロジェクト」の一環として、「結いの森」(滋賀事業所内の保全池・学習広場等)を整備しています。地域特有のアカマツ林や希少種であるヤマトサンショウウオなどの生物多様性保全を行うとともに社内外の学習の場として活用しています。

保全池(人工池)でのヤマトサンショウウオの繁殖

  • 保全池

    保全池

  • 保全池で産卵を確認

    保全池で産卵を確認

  • ヤマトサンショウウオの成体

    ヤマトサンショウウオの成体

絶滅が危惧されるヤマトサンショウウオの保全に取り組んでいます。安定した生息環境を確保するため、2014年に保全池を造成し、事業所内に生息する幼生や卵の移殖を続けてきました。2021年度以降、保全池で産卵・孵化したことを毎年継続して確認しています。2024年度には、滋賀事業所の再開発により野生のヤマトサンショウウオの生息地が減少する恐れがあったため、保全池以外に新たな生息地を造って幼生を放流するなど、生息環境の維持・改善に向けて継続的な取り組みを行っています。

ハッチョウトンボの生息地確保

  • ハッチョウトンボ

    ハッチョウトンボ(オス)

  • 造成した湿地

    造成した湿地

  • 成虫の移動

    成虫の移動

滋賀事業所の再開発に伴い、ハッチョウトンボが確認された湿地の一部が消失するため、消失を最小限に留めつつ、新たな生息地の確保に取り組んでいます。2023年度は、山の湧き水やススキ・スゲなどを活用して新たな湿地を創出し、既存の生息地から湿生・水生植物や表土とともに、卵・幼虫・成虫を移殖し、湿地の周囲を高さ1m程のネットで囲みました。移植した植物も成長し、ハッチョウトンボが定着しやすい環境を整備しています。2024年度は、新たに創出した湿地におけるハッチョウトンボの生息調査を行い、成虫の生息を確認しました。

自然と触れ合う機会づくり

イベントの様子

滋賀事業所では、生息する多くの動植物に従業員が触れ合う機会として専門家を交えた自然観察会、事業所にある自然の素材を使ったクリスマスリース作りイベントなどを開催しています。

地域社会との連携

滋賀グリーン活動ネットワーク「生物多様性と環境・CSR研究会」への参画

セミナーの様子
セミナーの様子

一般社団法人滋賀グリーン活動ネットワーク(SGN)内に設立されたワーキンググループ「生物多様性と環境・CSR研究会」に2015年から発起団体として参画しています。「生物多様性の基礎知識を学ぶ場の創出」「生物多様性分野を中心とするCSR活動の最新動向を知る場の創出」「会員同士の交流の場の創出」を目的に、会員向けセミナーなどのイベントを企画開催しています。2023年度は、県内外から39名の参加の下、当社滋賀事業所で生物多様性に関するセミナーとフィールドワークを開催しました。

企業連携によるトンボ保全活動「生物多様性びわ湖ネットワーク」への参画

企画展示(琵琶湖博物館)の様子
企画展示(琵琶湖博物館)の様子

滋賀事業所の近隣企業で「生物多様性びわ湖ネットワーク」を2016年に立ち上げ、県内で確認されている100種のトンボを指標とした生物多様性保全活動を展開しています。「トンボ100大作戦~滋賀のトンボを救え!~」と題したプロジェクトでは、①滋賀県のトンボ100種を探そう、②守ろう、③みんなに知らせよう、の「3つの作戦」を掲げて、企業敷地での定期的なモニタリング、ビオトープの整備や外来生物の駆除、自然観察会や活動の展示・発表、周辺地域の自然の現状把握、などに取り組んでいます。

  • 現在は、旭化成株式会社、旭化成住工株式会社、積水化学工業株式会社、積水樹脂株式会社、ダイハツ工業株式会社、株式会社ダイフクの6社で活動

一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブ

BOI

当社は、企業連合によるブルーアクション・プラットフォームである一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブ(BOI)に2023年から賛助会員として参画しています。BOIは、「海」に関わるあらゆるステークホルダーとの多面的交流と事業共創を通じ、持続性・実効性のある「海の保全と繁栄」を目指して活動の幅を広げています。

大阪湾ブルーカーボン生態系アライアンス

当社は、2024年から大阪府の「大阪湾ブルーカーボン生態系アライアンス(MOBA)」に賛同しています。本アライアンスは大阪湾をブルーカーボン生態系(CO₂を吸収・貯蓄する藻場・干潟等)の回廊でつなぐ「大阪湾MOBAリンク構想」の実現に向けて、大阪湾におけるブルーカーボン生態系の創出等について賛同し、活動に協力する企業、団体、研究機関、行政機関等を会員として活動しています。

おおさか生物多様性応援宣言

おおさか生物多様性応援宣言

当社グループの株式会社コンテックは、大阪府の生物多様性保全活動に賛同しています。2023年、「おおさか生物多様性応援宣言」を大阪府に提出し、登録が認められました。本登録制度は、大阪府が、生物多様性の保全に積極的に取り組むことを宣言する府内の企業や団体に対して、取り組みをサポートする制度です。

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