コンプライアンス

基本的な考え方

ダイフクグループでは、社是や経営理念を実現するためにグループの役職員が実践すべき行動のあり方を示した「グループ行動規範」を制定しています。「グループ行動規範」の実効性を高めるため、当社グループでは、この理念体系の下に各種社内規程を定めることに加え、コンプライアンスの定義を明確化しグループ内の価値観の共有を図っています。当社グループでは、コンプライアンスを、「事業活動のあらゆる局面において、法令や会社規程など社内外のルールにとどまらず、社会規範を遵守し、誠実に行動すること」としています。当社グループは、役職員一人ひとりが責任ある誠実な行動を積み重ねていくことで、社会からの期待や信頼に応え続けていくことを目指しています。

グループ行動規範(抜粋)

基本姿勢

  • 私たちは、法令・社会規範や倫理に照らして、正しく行動します。
  • 私たちは、事業活動のあらゆる局面において、なによりも安全を優先します。
  • 私たちは、「日新」の気持ちを常に忘れず、たゆまぬ挑戦と変革を続けます。

グループ行動規範

推進体制

グループ全体のコンプライアンス強化を目的として、CEOを委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置しています。取締役会の諮問機関である同委員会は、法務部が委員会事務局となり、全取締役・執行役員を委員とし、重大なコンプライアンス違反が発生した場合、調査や対応における司令塔の役割を果たしています。具体的には、当社グループのコンプライアンスに関わる問題を解決・解消するための対策や体制について検討を行い、検討結果を各委員が管掌する組織に落とし込みます。
日々のコンプライアンス推進活動については、法務・コンプライアンス本部が中心となりコンプライアンス関連規程の整備・運用を行うほか、人事総務本部、各事業部門の教育担当部門および管理部門と連携した教育を含め、さまざまな部署で実施しています。また、腐敗を含む不正防止等への取り組みについては、監査本部がその実効性評価を行うとともに内部監査を通じて不正の有無を確認し、重要な事項については適宜取締役会へ報告を行っています。

主な取り組み

コンプライアンス推進活動

1. コンプライアンス・ガイドブック

当社では企業行動規範を2004年に制定し、2019年に「グループ行動規範」として改訂を行っています。「グループ行動規範」は、小冊子でグループの役職員への配布を継続してきましたが、海外のグループ会社が急激に増加したことや企業を取り巻く環境が著しく変化している状況等を踏まえ、当社グループにおけるコンプライアンスの考え方をよりわかりやすくグループ全体に浸透させていくことが重要と考え、「コンプライアンス・ガイドブック」を2021年に作成しました。当ガイドブックには、当社グループのコンプライアンスの定義、グループ行動規範の各項目の説明、各項目とSDGsとの関連性を記載し、グループ全体に多言語で展開しています。より重要な内容についてはQ&Aのページも設けており、より深い理解が得られるよう工夫しています。当ガイドブックは、グループ全体でコンプライアンスに関して共通の価値観をもちながら、役職員一人ひとりが日々行動する際に活用するためのものとなっています。
なお、グループ行動規範は時代の変化に合わせて見直しを行い、取締役会がその内容を精査の上、承認しており、当ガイドブックも最新の社会情勢を反映して細やかな改訂を行っています。

2. コンプライアンス関連研修・教育

コンプライアンスに対する考え方の周知・徹底のため、CEOからグループの役職員に対し、コンプライアンスに関するメッセージを社内ネットワークで発信しているほか、各階層に応じた社内研修を実施しています。また、さまざまな国や地域との取引も増えているため、各国の腐敗防止法令を含む贈収賄規制、安全保障貿易管理、競争法等をテーマとする各種研修を行い、コンプライアンス意識の浸透と定着を図っています。
毎年、階層別研修や事業部門主催の各種研修機会を捉えて、「コンプライアンス・ガイドブック」および後述の「コンプライアンス強化月間」で実施した教材等を活用し、新入社員から管理職まで、さまざまな職層にコンプライアンス教育を実施しています。
また、過去に「グループ行動規範」の理解浸透をはじめとするコンプライアンス教育の一環として 、グループの役職員を対象に「グローバルコンプライアンス研修」を実施しており、そのコンテンツ(贈収賄、接待・贈答(腐敗防止)、競争法等)を役職員が確認できるようにしています。

  • 2023年度は国内、海外あわせて8,636名が受講し、2021年度から2023年度にかけて累計1万8千人以上が受講
実施した研修のテーマ例

グループ行動規範、腐敗防止法令(贈収賄防止規制)、安全保障を含む貿易手続管理、下請法を含む競争法、情報セキュリティ、労働安全衛生、ハラスメント、建設業法、内部通報制度 など

3. コンプライアンス強化月間

当社では、毎年10月を「コンプライアンス強化月間」と定め、コンプライアンスに対する意識を高めるための取り組みを実施しています。
2023年度は、「不正行為の防止」をテーマとして、実際に発生した不正事例を漫画化してeラーニングで展開したり、コンプライアンス川柳を募集し、優秀作を選定して表彰するなど、従業員一人ひとりに関心を持ってもらうことを念頭に、個人レベルの啓発に努めました。さらに、当該漫画は、日本語のほかに英語、中国語訳を作成の上、各現地法人に展開し、グループ会社従業員のコンプライアンス意識向上に役立てています。

4. 腐敗防止のための取り組み

当社グループは、国連グローバル・コンパクトの署名企業として、腐敗防止に関する第10の原則(「企業は、強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである」)に基づき、腐敗防止のための取り組みをグループ全体で推進しています。
腐敗行為は、社会の経済成長を阻害し、競争を歪め、弱い立場の人々に影響を与えるだけではなく、企業価値の毀損にも直結する行為であることから、当社グループでは、腐敗行為防止の推進は、社会全体の健全な発展と企業の持続可能な成長にとって大変重要であると考えています。
そのため、当社グループでは、経営理念やダイフクグループ人権方針、法令・社会規範や倫理に照らして正しく行動することを定めたグループ行動規範において、人権尊重を謳うと共に、これらの基本的な上位規範と並行して、贈収賄の禁止を含む社内規程類を整備しています。
具体的には、当社グループでは、「接待・贈答の供与に関するグループ規程」と「接待・贈答の収受に関するグループ規程」を制定し、グループの役職員が透明性のある取引を行うための行動指針※1を定めています。
接待・贈答の供与に関しては、事業の特性、各国当局の動向等に基づきリスク評価を行った結果、当社グループにとってリスクが高いと判断した国については、当該国の法令に対応した細則を制定し、接待・贈答、旅費負担、代理店・コンサルタント等との契約、ファシリテーションペイメント※2等について禁止行為を定義するとともに、実施にあたっての具体的な手続きを明確化しています。ファシリテーションペイメントについては、個別具体的な事情によって例外的に許容される場合を除いて原則禁止としています。また、代理店・コンサルタント等の中間業者を介してビジネスを行う場合に、中間業者に対して当社グループと同様に贈賄防止関連法令を遵守するよう求めることとしています。

接待・贈答の収受に関しては、当社では制度の趣旨をより理解しやすく、かつ、広く浸透させる目的で一人ひとりが日々の業務で使用できるQ&A形式のガイドライン(「接待・贈答の収受に関するガイドライン」)を作成しています。また、上記のルールに基づいて、取引先にも接待・贈答等に対するご辞退へのご理解とご協力のお願いをしています。

サプライチェーンマネジメント

さらに、グローバルコンプライアンス研修における教育コンテンツの一つとして「贈収賄と接待・贈答」を取り上げ、グループ全体へのさらなる浸透を図っています。
内部監査室では、当社グループのすべての業務を対象として、法令、グループ行動規範、腐敗防止に関する社内規程、腐敗防止策が適正に遵守されているかを含め、年次計画に基づき定期的かつ継続的な評価および監査を毎年実施しており、問題が発見された場合には是正措置を講じるよう指導しています。

  • ※1当社グループにおける接待・贈答のルール
  • 供与及び収受のいずれも禁止されている接待・贈答
    • 違法なもの
    • 現金、現金同等物
    • 何らかの取引上の見返りを求めて提供されるもの
    • その他当社グループのグループ行動規範、社内規程に違反するもの
    原則として供与及び収受が禁止されている接待・贈答
    • 公務員等に対する接待・贈答
    • 当社グループの役職員又はその家族に対する旅行・観光の費用負担、生活費の費用負担、不動産・株式の譲渡、廉価での貸与、雇用の便宜等の受入れ
    • 当社に対する取引先からの接待・贈答
    許容されている接待・贈答
    • 法令及び節度ある社会的常識を逸脱しない範囲のもので、社内規程に従って行われる接待・贈答の供与
    • 「接待・贈答の収受に関するガイドライン」において許容された当社への接待・贈答の収受
  • ※2査証の発行や通関手続きなどの日常的で公務員等に裁量のない職務・行為を促進するために、公務員等に少額の金銭を支払うこと

5. 反競争的行為の防止

当社グループは、グループ行動規範において、競争法をはじめとするルールの遵守および公正な取引を推進する姿勢を明示しています。また、グループ全体に適用される規程として、「競争法遵守規程」を制定し、CEOから社内ネットワークを通じて「コンプライアンス違反をして利益を得る行為を認めない」姿勢を明確に述べたメッセージの発信を行っています。さらに、グローバルコンプライアンス研修における教育コンテンツの一つとして「競争法遵守」を取り上げ、日本においては下請法に関する研修を定期的に行っています。

6. 反社会的勢力への対応

当社グループは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える勢力・団体には毅然として対応し、一切関係を持たないという方針をグループ行動規範に定め、グループの役職員全員に周知徹底しています。

内部通報制度

当社グループでは、法令違反や社内規定違反につながるような不正や不祥事を早期に発見し、適正に対処するため、内部通報制度を設けています。内部通報窓口は、社内窓口のほか、多言語で対応する社外窓口(中立性のある外部委託業者)を設置しています。
この窓口は匿名での通報を可能としており、当社および当社グループ会社の役職員のほか、退職後1年以内の退職者、継続的に取引のあるお取引先様も利用できます。本制度を有効に活用していくため、運用ルールを内部通報制度規程とその運用基準に定めており、これらは公益通報者保護法上の内部通報制度としての機能を包含しています。
ルールの主な内容としては、運用を内部通報事務局が担当し、通報内容の事実関係の確認、対応方針の決定および調査等を実施します。調査方法は、通報事案の重大さ、緊急度、経営層の関与の有無により異なりますが、調査の結果、コンプライアンス上の問題があったときは、行為の是正と再発防止の措置を講じます。重要な問題については、コンプライアンス委員会や監査役会に報告します。また、内部通報業務に携わる者に対しては、守秘義務を課すとともに、通報者が通報したことを理由に不利益な取扱いを行わないよう通報者の保護を図っています。
本制度の実効性を高めるため、経営トップによる社内ネットワークを通じたメッセージの発信、本制度の周知のためのポスターの掲示や継続的な従業員へのコンプライアンス研修を実施しています。特に、通報者が公益通報者保護法に基づく法的保護を受けることはもとより、通報したことにより通報者が報復を受けず、安心して利用できる制度であることを周知し、本制度の信頼度向上に取り組んでいます。
2023年度の内部通報窓口の利用件数は14件で、通報の内容は労務(10件)、不正行為(4件)でした。
また、当社では内部通報制度とは別に「人事相談室」を設けており、従業員から人事制度、評価・処遇、職場環境、労働時間、ハラスメント、健康管理などに関する質問および相談などを受け付け、対応しています。

人事相談室

政治・行政との関係

政治活動に関して、特定の政党や政治家に対する寄付および便宜の提供等の支援は行いません。政治献金や各種団体等へ寄付やその他の支援を行う場合には、関係法令を遵守し、適正な手続きと方法に従います。2023年度、政治献金の拠出はありません。

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