担当役員メッセージ

常務執行役員 コーポレート部門長 田久保 秀明の写真

社会の要請の変化を捉え、
グループ全体でさらなる取り組みの深化を図ります。

市場から、そして社会から求められ続ける企業を目指して

気候変動をはじめとする地球環境問題や人権問題など、さまざまな社会課題が顕在化し深刻さを増す中、それらの解決に向けた企業の取り組みに対し、社会からの期待は非常に高まっています。企業には利益の追求だけでなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが求められ、その要請に応えられなければ淘汰されていく時代であると感じています。

ダイフクグループは、マテリアルハンドリングを核とする「モノを動かす技術」でお客さまの競争優位性を高めていくことはもちろん、人や環境に配慮した事業運営や社会課題の解決に資するソリューションの提供により、社会から信頼され、必要とされる存在であり続けたいと考えています。そのためには、技術・ノウハウ、人材、企業文化などの無形資産を維持・強化していくことが重要です。社会課題が当社グループの経営資本に与える影響や社会からの要請の変化を把握した上で、各事業部門と連携しながらそれらを経営方針・経営戦略に落とし込み、グループ全体にサステナビリティの考え方を浸透させることが私の役割であると認識しています。

2021年10月に改定した新たな経営理念においても「モノを動かす技術」により市場から求められること、社会から信頼されること、そして経営資本を充実させていくことを方針として示しています。さまざまな環境変化がある中で、会社のあるべき姿・目指すべき姿をすべての役員・従業員が理解し、同じ方向を向いて歩みを進めていくことが当社グループの持続的な成長につながると考えます。

サステナビリティ委員会の活動状況

当社グループは事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するため、18のマテリアリティ(重要課題)を特定し、その解決に向けた3カ年の行動計画「サステナビリティアクションプラン」(以下、アクションプラン)を実行しています。アクションプランは、2021年4月よりスタートした中期経営計画とともに経営戦略の両輪と位置付け、CEOを委員長とするサステナビリティ委員会でその進捗を管理しています。初年度である2021年度の実績は概ね目標を達成することができ、当社グループ従業員一人ひとりの取り組みが結果につながっていると評価しています。私たちが特に注力している環境および人権課題については、2021年度よりサステナビリティ委員会の傘下に個別の分科会を立ち上げ、各事業部門とコーポレート部門が協働で取り組んでいます。

環境については、2021年2月に現中期経営計画と同時に「ダイフク環境ビジョン2050」を発表し、2050年に「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を目指す」ことを掲げました。その中で、「気候変動・エネルギー」および「資源循環」を重点領域とし、それぞれに2030年の目標を設定しています。当社のCO2排出量の内訳は、製品稼働時やサプライヤーのエネルギー使用に伴う排出量が多くの割合を占めます。そのため、環境配慮製品の開発やシステム全体の稼働最適化を通じた省エネルギー対策、主要サプライヤーに対する排出量削減に向けた働きかけなどに注力し、ビジョンの実現に向けて歩みを進めています。一方で、「気候変動・エネルギー」についてはビジョン策定時から社会の要請が大きく変化しているため、さらに高い目標への見直しも検討すべきと考えています。

サプライチェーン全体における人権課題については、同年10月に策定した「ダイフクグループ人権方針」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの仕組み構築に向けて取り組んでいます。2022年度から2023年度にかけて、国内外の事業活動全般における人権への負の影響について潜在的リスクおよび顕在的リスクの評価・特定を進め、課題への対処を行っていく予定です。

経営基盤のさらなる強化

事業活動を支える経営基盤の強化についても重要な課題であると認識しています。迅速な意思決定と健全なリスクテイクの裏付けとなる管理体制の強化を目的として、2022年4月にCEOを委員長とするリスクマネジメント委員会を発足しました。同委員会では、当社グループの経営目標の達成に影響を与えうる重要なリスクをグループ横断で管理していく予定です。事業環境の変化への適切な対応や海外子会社のガバナンス強化に向けた取り組み、SNSの普及などに伴うレピュテーションリスクや大規模な自然災害などへの備えを充実させていく考えです。

加えて、当社は2004年より情報セキュリティ委員会を組成し、グループ横断で情報セキュリティの維持・向上に努めています。2022年度からは同委員会の委員長をCEOとし、各事業部門長・子会社社長等が委員を務めています。経営層のリーダーシップのもと取り組むと同時に、各事業部・本部・子会社それぞれに情報セキュリティ推進責任者を配置し、現場レベルの取り組みもさらに強化します。

人的資本の強化に向けた取り組み

当社グループが成長を続けるためには、グループ全体で人的資本を強化することが欠かせません。事業のグローバル化が進む中、海外子会社を含めた人材マネジメントをいかに進めていくか。また、長年築き上げてきた自由闊達な企業風土や大切にしてきた価値観をいかに共有し発展させていくか。こうした課題に取り組んでいく必要があります。

2021年度より、当社グループの人材マネジメント基盤を構築すべく、グループ従業員に求めるコンピテンシー(行動特性・姿勢)の策定、キーポジション(主要幹部職)の明確化とその後継者の計画的な育成に向けた取り組みなどを進めています。今後、これらを人材評価・育成のベースとしながら運用するとともに、事業部門間の人事異動・人事交流などグループ横断での人材育成施策を実施していきます。

また、同年度には、国内グループの従業員を対象に、「働きがい」と「働きやすさ」の2つの側面からエンゲージメントサーベイを実施しました。その結果、お客さま志向や経営層への信頼といった強みの部分が見られた一方、組織間の連携や従業員一人ひとりのキャリア形成支援については課題として抽出されました。その課題に対して全社横断的な施策と各事業部門での改善活動を組み合わせ、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいきます。今後は、エンゲージメントサーベイの対象を海外拠点にも広げ、グループ全体における一体感の醸成を目指します。

ステークホルダーの皆さまへ

当社グループは、経営理念「モノを動かし、心を動かす。」のもと、「モノを動かす技術」で経済価値と社会・環境価値の両立を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。2030年、2050年といった未来においてもステークホルダーの皆さまに必要とされる企業であり続けるため、中期経営計画やアクションプランで掲げた目標を確実に達成しつつ、今後もさらなる取り組みの深化を図っていきます。

2022年8月

常務執行役員 コーポレート部門長
田久保 秀明