小売り

近年トラックドライバーを始めとする物流業における人手不足が、社会問題化し、注目を集めています。関係協会の調査によると、労働力不足を感じる物流機能のナンバーワンは「輸送」71.9%ですが、それに次いで「荷役」69.2%、「流通加工」51.1% における人手不足も問題となっています。
このため、物流センターの作業従事者の人件費は上昇傾向にあります。特に、周辺に物流施設が多くある立地では、働き手の奪い合い状態となっており、賃金アップや働きやすい環境を提供しないと、人員が集まらない状況です。
将来の労働力の減少を考えると、今後も物流現場では深刻な人手不足が続くことが見込まれ、物流機能の安定供給と人件費抑制・労働環境改善の解決策として、自動化ニーズが高まっています。
小売業の中・大規模店舗向け物流
流通業の物流センターでは、DC機能とTC機能の両方を備えることがあります。DCはディストリビューションセンターの略で、在庫保管機能を持ちます。一方、TCはトランスファセンターの略で、在庫を持たず、荷物の仕分け・集約、積み替え配送の機能を担います。スーパー・専門店の多くが両機能を持った、店舗向け配送センターを自社設営もしくは、卸売・3PL事業者に業務委託し商品供給・配送の最適化を図っています。
ドライ食品・日用雑貨品の運用フロー
商品の入荷はDC系統とTC系統別々に行います。DC系統に入った荷物は、出荷頻度別に超高頻度品(SA品)、高頻度品(A品)中・低頻度品(B・C品)、ボール品(C品の一部)の4系統に分けられ、それぞれの物量・荷動き・出荷形態にあったシステムで保管・集品されます。一方TC品は、入荷検品後は保管されることなく、コンベヤで搬送され在庫商品と合流し、仕分けシステムへ直送されます。

入庫フロー
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1. DC品は、無線ハンディターミナルで入荷検品。
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2. 出荷量の多いSA品は、重量棚にパレット単位で保管。
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3. A品は有軌道台車(STV)で入庫を自動化。フォークリフト作業者の人件費の削減に加え、作業場の安全性も向上。
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4. STVを経由したA品は、Dualタイプパレット自動倉庫に保管。
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5. B・C品(中~低頻度品)は、ケース自動倉庫に格納。
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6. C品のうちボール品は、パレット自動倉庫に在庫を保管し、ピッキングローケーションに自動補充。作業者が、フローラックに補充。
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7. TC品はトラックから直接コンベヤに投入。コンベヤ上に設置したカメラ式バーコードリーダーで、入荷と同時に自動検品。
出荷フロー
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1. SA品は、重量棚の背面から、ケースピッキングし、コンベヤに投入。
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2. A品は自動倉庫からピッキングステーションに出庫し、ケースピッキングした後、コンベヤに投入。Dualタイプの採用により、高頻度の入出庫に対応。
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3. B・C品(中~低頻度品)は、ケース自動倉庫からケース単位で出庫。
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4. ボール品は、ピッキングカートを使って、フローラックから集品。
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5. ピッキング後の商品に、自動ラベラーで出荷ラベルを貼り付け。
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6. ソーターで、TC品と一緒に店舗別シュートに自動仕分け。
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7. 店舗別のシュート先で、カテゴリ・通路別でカートに積み付け、荷揃えする。小規模店舗向けでは、配送ルート別でシュートに仕分けし、店舗別でカートに積み付け。
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