長尺荷物の最適な自動保管ソリューションとは?

マテハンを用いて自動化を進める際、T11パレットのような標準化した荷姿で搬送・保管するのが一般的です。しかし、時にはそうした標準の枠にはめることが難しい荷物があります。本ページでは、その中でも特に長尺品の自動保管に焦点を当て、その課題と解決策についてご紹介します。

倉庫や工場における長尺品の保管ニーズ

一般的な自動倉庫では、JISパレット、ユーロパレット、GBパレット、USパレットなど国ごとの規格に応じたパレットを用います。寸法や形状は規格によりさまざまですが、概ね1200x1200mmの範囲内に収まることが一般的です。しかし、お客様のビジネスによっては、この範囲を大幅に超える2~6m超えの荷物を自動保管するニーズがあります。どのような荷物があるのでしょうか。長尺保管ニーズは、棒鋼やパイプの卸売業者に多く、次いで長尺の原材料や仕掛品を扱う製造業においても高いニーズがあります。具体的には、棒鋼、金属パイプ、建材、サッシ、プレカット材などの木材、航空機部品、鉄道部品、家具、自動車車体など、保管品目は多岐にわたります。

棒鋼

棒鋼

パイプ, 水道管

パイプ

窓枠

サッシ

プレカット材

プレカット木材

航空機部品

航空機部品

自動車ボデー

自動車ボデー

電車

電車部材

ソファー

家具

長尺物を取り扱う際の課題

floor storage

長尺物は専用のボックスパレットに入れて積み重ねたり、直に立て掛けラックやキャンチレバータイプのラックに保管されますが、これにはいくつもの課題が伴います。

  • 保管・荷繰りの為のスペースを取る
  • 生産・出荷に合わせたジャストインタイム供給が困難
  • 荷崩れを起こしやすく、安全な労働環境の維持が困難
  • 正確な在庫管理が難しい

ダイフクは1986年に6.2mの鋼管・形鋼・棒鋼保管用自動倉庫を手がけて以来、このようなお客様ニーズに2つのソリューションで対応してきました。

シャトルフォーク自動倉庫

よく採用される保管方法として、シャトルフォークタイプの自動倉庫があります。この保管方法は、設置に必要な幅が小さく済むため、工場の壁際など限られたスペースを有効活用し、製品だけでなく、原料在庫や仕掛品の保管を行いたい製造業に特に適しています。

例えば、6200x1000mmのスチールパレット保管用自動倉庫を検討する場合、保管棚スペースとして約3.6mの幅が必要となります。自動倉庫への入出庫は、運用ニーズに応じて、クレーンの通路端に設置したコンベヤから、あるいはラック側面に配したコンベヤから、またはその両方から行うことが可能です。SUS株式会社様では、長尺品自動倉庫の側面にコンベヤと裁断機を配置することで、出庫、ピッキング、加工をシームレスに繋げ、出荷リードタイムの短縮に成功しています。

フォーク式自動倉庫ラックサイド入出庫タイプ

ラック側面に入出庫コンベヤおよび裁断機を配置。出庫、ピッキング、裁断機への供給がスムーズに行えます。(側面のコンベヤは前述の3.6m幅に含まず。別途スペース確保が必要。)

フォーク式自動倉庫 スリム配置

自動倉庫の端に入出力コンベヤを配置。設置幅を最小化することが可能です。

プッシュ・プル移載機の自動倉庫

2015年、ダイフクは佐久間特殊製鋼様に6.2mの棒鋼用自動倉庫を納入しました。このシステムは、プッシュ・プル移載機を搭載した2台のスタッカークレーンと、2500ロケーション超の棚で構成され、大量の長尺荷物を高密度保管することができます。このシステムは、前項でご紹介したシャトルフォークタイプの自動倉庫に対し、荷物を90°回転した向きで保管する点で異なります。

プッシュ・プル移載機の自動倉庫は、保管密度において優れていますが、クレーンが6.2mの荷物を棚に押し込んだり、引っ張り出したりする必要があるため、入出庫に時間がかかるという欠点があります。そこで当社は、一本のクレーン通路内で2台のスタッカークレーンが同時に走行するデュアルシステムを採用することで、この問題を解決しました。

それでも、プッシュ・プルタイプの自動倉庫は、全ての企業とって万能なソリューションではありません。プッシュ・プル型自動倉庫には幅約19m程の設置スペースが必要なため、限られた工場や倉庫のスペースを使って、中・小規模の保管を検討している場合にはフィットしません。このため、一般的には、金属材料の卸売業のように、大型専用倉庫で大量に長尺物を取り扱う企業に向いたソリューションと言えます。

プッシュ・プル式自動倉庫
長尺自動倉庫比較表

最適な長尺保管ソリューションは

長尺品の取扱いは一般的なパレットに比べ、安全への特別な注意と時間が要求されます。保管の自動化により長尺物の取り扱いの効率と安全性の向上を検討する際は、必要な保管量、入出庫の頻度、利用可能スペースについて整理することで、お客様の課題に最適なソリューションか決まってきます。長尺品の保管、ハンドリングの改善をお考えの際は、是非当社にご相談下さい。

ダイフクの最先端がここにある。マテハン体験型総合展示場 日に新た館

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