環境経営
基本的な考え方
ダイフクグループは、「深刻化する地球環境問題」が当社グループを取り巻く経営環境における重要な課題であると捉えています。2011年には「ダイフク環境ビジョン2020」を策定し、「事業運営における環境配慮活動の推進」「環境配慮製品・サービスの拡充」「環境経営基盤の強化」の3つのテーマに取り組んできました。そして2021年、ますます深刻化するこれらの諸問題に対し、2050年のありたい姿を示した「ダイフク環境ビジョン2050」を新たに策定し、「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を目指す」を掲げました。重点領域に「気候変動・エネルギー」「資源循環」と、それぞれの目標を設定しています。経営層のリーダーシップのもとグループ横断で取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
グループ行動規範(抜粋)
6-1. 環境
- あらゆる事業活動を通じて、地球環境の保全に貢献します。
- 環境に配慮した製品・サービスを、広く社会に提供します。
- 一人ひとりが高い環境意識をもって業務を遂行します。
ダイフク環境ビジョン2050
当社グループでは、持続可能な社会の実現に向けて2050年を見据えた「ダイフク環境ビジョン2050」を策定しています。2050年に「マテリアルハンドリングシステムが環境負荷ゼロで動く世界を目指す」を掲げ、2030年までの重点領域と目標を設定しています。取り組み期間は2021年度から2030年度とし、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を中心にグループ全体で推進しています。

2030年の重点領域
気候変動・エネルギー対策の加速
製品稼働におけるエネルギー削減やサプライヤーとの連携により、バリューチェーンでのCO2削減に取り組みます。グループ全体での省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入により、パリ協定に準じたCO2削減に取り組みます。
資源循環の促進に向けた基盤整備
ライフサイクルを通じた資源循環を進めるため、製品のリサイクル可能率を高めます。すべての生産拠点において資源循環の仕組みを構築します。
2030年の目標
重点領域 | 目標 |
---|---|
気候変動・エネルギー | 環境貢献物件※1売上高比率70%以上 |
CO2削減貢献量※2累計30万t-CO2以上 | |
自社CO2排出総量削減25%以上(2018年度比) | |
サプライチェーンCO2削減プログラム※3参加企業率50%以上 | |
資源循環 | 新製品のリサイクル可能率90%以上 |
廃棄物のリサイクル率99%以上 |
- ※1ダイフクエコプロダクツ認定製品などを通じて、お客さまに環境配慮の面で貢献した物件(プロジェクト)
- ※2お客さまに納入した製品・サービスから排出されるCO2排出量を、基準年度である2011年度時点の製品・サービスによるCO2排出量から差し引いたもの
- ※3調達先におけるCO2排出量削減に向けた取り組み(目標の共有と削減対策支援など)に関する当社独自の枠組み
推進体制
CEOを委員長、各事業部門長を委員とするグループ横断的な「サステナビリティ委員会」を組織し、その傘下に「環境経営分科会※」を設置しています。同分科会では、サステナビリティアクションプランのテーマの一つである「事業を通じた環境貢献」を中心に議論を進めています。マテリアリティとして特定している「事業運営における環境配慮」、「環境配慮製品・サービスの拡充」についてはそれぞれに目標を定め、活動の推進・進捗の確認を行っています。2022年度より、事業活動における省エネルギー・省資源と再生可能エネルギーの導入を検討する「環境負荷低減プロジェクト」と、ダイフクエコプロダクツの製品認定やPR、認定基準の見直しなどについて議論する「製品評価プロジェクト」を発足し、活動を行っています。
- ※2021年度まで設置していた環境配慮製品分科会と環境配慮業務分科会を統合

環境経営分科会
メンバー | 各事業部門(製造・営業・設計)、人事総務部、管財部、サステナビリティ推進部 |
---|---|
主な議題 |
|
環境マネジメントシステム認証取得の状況
国内外の主要な生産拠点において環境マネジメントシステムの国際規格 ISO14001の認証を推進しています。国内においては4拠点のすべてで、海外においては14拠点で認証を取得しています。生産拠点数に占める認証取得比率は67%です。
認証規格 | 生産拠点数(連結) | うち認証拠点数 | 認証比率 |
---|---|---|---|
ISO14001 | 27 | 18 | 67% |
ダイフクジャパン環境行動プラン
(株)ダイフクでは、サステナビリティアクションプランで定めている各マテリアリティのKPI以外の項目についても、日本国内における環境行動プランを策定しています。
廃棄物総量削減
- 【主な取り組み】
-
- 製造工程から出る不良品の削減
- 梱包材の削減
管理指標 | 目標 | 実績 | ||
---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2021年度 | |
廃棄物総量 売上高原単位比率(%) (2018年度比) |
94.0 | 92.0 | 90.0 | 80.6 |
廃棄物のリサイクル率向上
- 【主な取り組み】
-
- 廃棄物の分別の徹底
管理指標 | 目標 | 実績 | ||
---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2021年度 | |
廃棄物リサイクル率(%) | 95.0 | 96.0 | 97.0 | 99.4 |
生産拠点での水使用量削減
- 【主な取り組み】
-
- 生産工場・オフィスでの省資源(節水)活動
管理指標 | 目標 | 実績 | ||
---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2021年度 | |
水使用量 売上高原単位比率(%) (2018年度比) |
90.0 | 85.0 | 80.0 | 59.1 |
DAIFUKUエコアクションの活発化
- 【主な取り組み】
-
- 環境アクションからCSRアクションへの活動範囲の拡大
- イベントや教育の新規企画・実施
管理指標 | 目標 | 実績 | ||
---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2021年度 | |
従業員延べ参加人数 | 7,100名 | 7,400名 | 7,700名 | 11,608名 |
生物多様性の保全活動の推進
- 【主な取り組み】
-
- 滋賀事業所内の生態系現況調査、モニタリング、保全活動
- 社外との連携による生物多様性保全の推進
管理指標 | 目標 | 実績 | ||
---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2021年度 | |
生物多様性保全活動の実施 | 結いの森 整備 |
結いの森 植林開始 |
結いの森 植林養生 |
結いの森 沿路チップ材敷設 |
マテリアルバランス
事業活動で発生する環境影響を把握し、環境負荷の改善に努めています。2021年度の(株)ダイフクの事業活動におけるエネルギーおよび資源の投入量(インプット)と、その活動に伴って発生した環境負荷物質(アウトプット)については以下の通りです。

環境会計
(株)ダイフクの環境保全にかかわるコストと効果を定量的に把握し、環境会計を実施しています。
環境保全コスト(事業活動に応じた分類)
(千円)
分類 | 投資額 | 費用額 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2021年度 | |||
事業エリア内コスト | 公害防止コスト | 1. 大気汚染防止のためのコスト | - | - | 52,160 | 42,600 |
2. 水質汚濁防止のためのコスト | 33,228 | 9,350 | 73,924 | 119,379 | ||
3. 土壌汚染防止のためのコスト | - | - | 0 | 0 | ||
4. 振動・騒音防止のためのコスト | - | - | 0 | 0 | ||
地球環境保全コスト | 5. 省エネのためのコスト | 93,444 | 229,259 | 206,037 | 225,946 | |
6. 化学物質管理のためのコスト | - | - | 1,226 | 1,224 | ||
資源循環コスト | 7. 資源の効率的利用のためのコスト | - | - | 1,007 | 1,007 | |
8. 産廃、一般廃棄物処理コスト | 4,200 | 0 | 28,744 | 34,730 | ||
上・下流コスト | 9. 普通の製品とグリーン購入(調達)製品の差額 | - | - | 1,920 | 1,920 | |
管理活動コスト | 10. 環境マネジメントシステム運用コスト | - | - | 42,631 | 44,172 | |
11. 環境情報の開示、環境広告コスト | - | - | 4,195 | 4,214 | ||
12. 環境負荷監視コスト | 2,720 | 0 | 6,956 | 9,668 | ||
13. 従業員への環境教育コスト | 0 | 0 | 9,298 | 16,962 | ||
研究開発コスト | 14. 研究開発コストのうち、環境保全に関するコスト | - | - | 183,300 | 214,700 | |
社会活動コスト | 15. 自然保護、緑化、美化等のコスト | 21,202 | 0 | 53,051 | 57,597 | |
16. 環境保全を行う団体等に対する寄付、支援のためのコスト | - | - | 5,080 | 4,520 | ||
環境損傷対応コスト | 17. 環境に与えた損傷に対して生じたコスト | - | - | 0 | 0 | |
合計 | 154,794 | 238,609 | 669,530 | 778,638 |
環境保全対策に伴う経済効果(実質的効果)
(千円)
効果の内容 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|
有価物売却 | 56,200 | 141,130 |
エネルギー費の節減 | 69,592 | ▲ 70,347 |
廃棄物処理費の節減 | 2,985 | 3,725 |
合計 | 128,777 | 74,507 |
環境保全効果
項目 | 2021年度 | 前年度比削減量 (▲は増加) |
前年度比売上高原単位(%) |
---|---|---|---|
総エネルギー投入量(千GJ) | 297.7 | ▲ 28.7 | 99.3 |
CO2排出量(t-CO2) | 11,826.8 | ▲ 1,320.8 | 101.0 |
廃棄物総排出量(t) | 5,751.0 | ▲ 1,196.0 | 113.3 |
廃棄物最終処分量(t) | 38.0 | 3.0 | 83.2 |
総排水量(千m3) | 104.1 | 0.1 | 89.7 |
水リスクへの対応
当社グループでは世界資源研究所(WRI)が開発した評価ツール Aqueduct(アキダクト)を使用して、国内外の主要拠点のある国・地域(日本、中国、台湾、インド、タイ、韓国、アメリカおよびイギリス)において、水リスクの評価を実施しました。その結果、調査したすべての地域でHigh以上のリスクレベルにはないことが分かりました。今後も定期的にリスクの評価を行っていきます。
また、生産活動で特に多く水を使用するのは塗装工程ですが、現時点ではすべての拠点において高リスクの懸念はないと考えます。引き続き、生産拠点の水使用量を把握し、水使用総量の削減および水リスクに関する適切な対策に取り組みます。
主要拠点の水リスクの評価(Overall評価※)結果は、以下の通りです。
水リスクレベル | 拠点数 |
---|---|
Low(0-1) | 0 |
Low-Medium(1-2) | 7 |
Medium-High(2-3) | 14 |
High(3-4) | 0 |
Extremely-High(4-5) | 0 |
- ※Aqueduct上の定義であり、物理的水量、水質、規制及び評判リスクなどのすべての要素を踏まえた総合的な水関連リスク評価