汚染防止と資源循環

基本的な考え方

有害化学物質や廃棄物、排水などの管理については、法規制に基づいた確実な対応が求められます。ダイフクグループは環境汚染防止や、水などの資源の使用量の削減に取り組み、地域社会をはじめとする地球環境への負荷低減を図っています。「ダイフク環境ビジョン2050」(2023年5月に改定)では「資源循環の促進」を重点領域の1つとして設定し、製品の長寿命化や生産拠点から排出される廃棄物量の最少化、使用済み製品・部品のリサイクル拡大などに取り組んでいます。

グリーン調達

環境に配慮した製品をつくることは、グロ-バルに事業展開している当社の使命と考えています。「入れず・使わず・出さず」をモットーに、2005年11月より「グリ-ン調達ガイドライン」を策定し、特定の有害化学物質の排除とともに、省資源・省エネルギー・再利用可能な材料・商品を優先的に購入しています。

グリーン調達ガイドライン(PDF:590KB)

主な取り組み

省資源

当社では、製造工程から出る不良品の削減や梱包材の削減、生産拠点およびオフィスにおける節水に努めています。

廃棄物総量(国内)※有価物含む

廃棄物リサイクル率(国内)※有価物含む

水使用量(国内)

水使用量(海外)

廃棄物処理委託業者の適正処理確認

当社社員による現地確認
当社社員による現地確認

事業活動により発生する廃棄物は、法律に基づき適正に処理されなければなりません。廃棄物の処理を許可業者に委託する場合でも、その処理責任は排出した事業者が負います。委託する業者は社内の廃棄物管理規定により厳正に審査し決定していますが、同時に当社の社員を現地へ派遣し、廃棄物処理の状況を年一回確認するように努めています。

環境汚染防止

化学物質の管理

生産活動の中で使用する化学物質は主に塗料・有機溶剤で、PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register)の対象となる特定化学物質の現場管理と使用量の管理を行っています。

  • 事業者が人々の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質をどれだけ環境(大気、水、土壌)へ排出しているか国に届け出ることにより、化学物質の自主的な管理と環境汚染の未然防止を目的とした制度
PRTR法対象化学物質 排出・移動量

滋賀事業所

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
排出・移動量(kg) 23,765 18,531 16,880 20,542
2021年度PRTR法対象化学物質 取扱量

滋賀事業所

(kg)

管理物質
番号
化学物質名 取扱量 排出量 移動量
大気への排出 公共用水域への排出 土壌への排出 埋立処分 排出量合計 下水道への移動 その他の移動 移動量合計
37 ビスフェノールA 1,247.40 0 0 0 0 0 0 24.95 24.95
53 エチルベンゼン 5,014.59 5,014.59 0 0 0 5,014.59 0 0 0
80 キシレン 6,219.47 6,219.47 0 0 0 6,219.47 0 0 0
296 1,2,4-トリメチルベンゼン 589.10 589.10 0 0 0 589.10 0 0 0
297 1,3,5-トリメチルベンゼン 222.09 222.09 0 0 0 222.09 0 0 0
300 トルエン 8,059.42 8,059.42 0 0 0 8,059.42 0 0 0
  • (注)年間取扱量100kg未満の化学物質については、微量として割愛しました。

欧州の有害物質関連規制への対応

欧州の化学物質規制「REACH規則(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)」に焦点を当てグループ一体となって、製品に含有する有害物質の見える化と排除を推進しています。グリーン調達ガイドラインの運用を通じて、サプライチェーン全体で連携しながら、今後も一貫した環境配慮型製品の提供に努めます。

  • 欧州域内で製造・販売する製品に含まれる化学物質について、行政への登録や安全性評価を義務付けた規制

大気汚染防止

滋賀事業所は、滋賀県の大気環境への負荷の低減に関する条例第25条第1項に基づき、「大気環境負荷低減計画 実施事業場」に指定されており、ばい煙による大気汚染物質の管理、削減に努めています。

2021年度大気汚染物質実測結果

滋賀事業所(日野町公害防止協定)

物質 施設 規制値 実績
最大 最小 平均
ばいじん(g/m3N) 発電機 0.1 0.006 0.004 0.006
硫黄酸化物(SOx)(m3N/h) 発電機 2.31 0.060 0.050 0.057
窒素酸化物(NOx)(ppm) 発電機 950 920 750 825

水質汚濁防止

水質調査の様子
水質調査の様子

国内での水使用量の約8割を占める滋賀事業所では、3箇所の廃水処理施設による24時間常時監視体制を整備し、滋賀県条例、日野町との公害防止協定で定められた排水基準の遵守を徹底することで、農業用水としての水質維持を図っています。また、近隣住民を招き廃水処理施設や処理状況などの徹底した水質管理体制の見学の機会を設け、利害関係者との良好な関係づくりにも役立てています。

水質汚濁は、土壌、農作物、生活環境などに幅広く影響を与える重要な問題であると認識し、事業所からの排水に対しては、法規制の遵守はもちろん、細心の注意を払って管理、削減に努めています。

2021年度放流水水質実測結果

滋賀事業所(水質汚濁防止法、県条例、日野町公害防止協定)

測定項目 規制値 実績
最大 最小 平均
排水量(m3/日) - 443.3 73 307.7
PH 6.0~8.5 7.4 6.7 7.1
SS(mg/ℓ) 20以下 0.8 0.5 0.6
COD(mg/ℓ) 20以下 2.4 0.3 0.7
BOD(mg/ℓ) 20以下 3.0 1.0 1.4
全リン(mg/ℓ) 1以下 0.1 0.1 0.1
全窒素(mg/ℓ) 10以下 1.2 0.5 0.6
  • (注)平均は加重平均値とする。
  • 排水処理場

    排水処理場

  • 処理前(左)と処理後(右)の排水

    処理前(左)と処理後(右)の排水

汚泥をセメント原料へ

滋賀事業所の廃水処理施設では、安定した水処理を維持する上で、発生する汚泥の処理が必要となります。施設から引き抜かれた脱水汚泥を乾燥機にて処理し、含水率20%の乾燥汚泥にしています。これにより、汚泥容量が大幅に減少し、廃棄物処理コストも削減でき、また乾燥汚泥はセメント原料として有効に活用されています。

  • 汚泥再資源化施設

    汚泥再資源化施設

  • 乾燥汚泥

    乾燥汚泥

資源循環KPI

当社グループは、多くの部品や資材で構成された大規模なマテリアルハンドリングシステムを提供しています。「ダイフク環境ビジョン2050」では、事業活動から発生する廃棄物だけでなく、お客さまに納入する設備が撤去される際に資源が循環されることを目指しています。その観点から、製品素材の見直しや分解容易性の向上を設計段階から進めています。また、長期間システムを安定稼働させ、廃棄のタイミングを遅らせることも重要な取り組みと位置付け、保守・メンテナンスなどのアフターサービスを充実させます。

ダイフク環境ビジョン2050

  スコープ 2021年度
廃棄物のリサイクル率 グローバル 99%
新製品のリサイクル可能率 グローバル 86%