得力グループ 様
中国文具業界の自動化をリード
1981年に設立された得力グループは、グローバルに事業を展開する、中国最大級の文具・オフィス用品メーカーです。同社は、得力オフィス、得力文具、Agnite、Nu Sign、得力工具など、独立したサブブランドを展開しています。製品ラインナップは、オフィス文具、学用品、事務機器、オフィス消耗品、オフィスペーパー製品など24のカテゴリーに渡り、複数の分野で長年にわたり業界をリードしてきました。現在、得力の製品は、アメリカ、ヨーロッパ、南米、中東、東南アジアなど130以上の国と地域に輸出され、長期的かつ安定的な事業体制を築いています。
課題
得力グループは、OBM(自社ブランド運営)、OEM(受託生産)、ODM(自主設計・生産)で構成されるさまざまな製品を、国内外に販売しています。従来、物流倉庫運営は外部に委託していたため、多くの作業人員と倉庫レンタル費用、それらの管理コストが発生し、事業拡大の足かせとなっていました。また、消費が活発な大都市部では、大規模なレンタル倉庫の調達も困難でした。同社では事業拡大に伴い、倉庫の需要が急拡大しており、小規模レンタル倉庫の追加調達や作業人員追加といった方法での対応は限界にきていました。社内物流全体を抜本的に効率化し、事業成長に対応するため、同社は浙江省寧波市にスマート物流センターの構築を決定しました。
ソリューション

寧波市に建設された得力スマート物流センターの総建築面積は約11万㎡で、自動倉庫エリアは、パレット式自動立体倉庫、ラックサイドピッキングつきパレット倉庫、ケース自動倉庫、シャトルラック、STV、ピッキングロボット、ソーター、AGVにより構成されています。入荷から出荷まで高度に自動化することで、人件費を削減し、物流センター全体の効率改善に成功しました。保管密度を高め、より多くの入出荷ニーズに対応するため、高さ30mのスタッカークレーン50台、数百台のSTV、AGV、ロボット、ソーターを導入しました。現在、物流センターには最大280万ケースの商品を保管することができ、得力商品の効率的な流通に貢献しています。
得力スマート物流センターでは、入荷、搬送、ピッキングから出荷まで、全工程を効率化し、手作業によるミスを回避するため、様々なマテハン設備および在庫管理システム(WMS)を導入しています。
- 入荷:OEM品の入荷搬送をAGVで自動化。
- 搬送:パレット単位の入荷品は、コンベヤとスタッカークレーンにより、自動倉庫に自動入庫。
- 入庫:品質検査が必要なOEM商品は、フォークAGVでエレベータを経由し2階に運び受入れ検査を実施。品質管理が不要なOEM商品は、AGVでコンベヤまで搬送し自動入庫。
- ピッキング:スタッカークレーンが、ピッキング対象のパレットを、ラック側面のピッキング間口に出庫。作業者は、間口上部の表示器に指示された数量をピッキング。
- 出庫:ピッキングしたケースは、コンベヤでケース自動倉庫に運ばれ、その後ソーターで仕分け。
成果
新スマート物流センターは、高さ方向の空間をフル活用することで、土地面積を抑え、荷物保管スペースを最大化することに成功しました。 現在、物流センターの1日の最大入出庫量は40万ケースに達しており、当初得力が想定していた20万ケースを大きく上回っています。自動化により、より多くのSKUに対応できるようになったことで、今後の更なる事業拡大にも余裕を持って対応することが可能です。
当センターの稼働により、物流作業に従事する人員と管理コストを削減し、オーダー処理能力を劇的に向上させ、急成長する事業ニーズに対応することが可能となりました。現在、当センターのサービスエリアは中国全土に広がっています。今後は、商品流通の末端側における情報化・システム化の遅れを、解決できるようにしたいと考えています。それが実現し、物流センターと流通網の情報連携が強化されれば、相乗効果によりサプライチェーン全体の効率化が進むと考えています。
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