ザ・HISTORY-写真で見るダイフク史病院や図書館でモノレールシステム 「テレリフト」が活躍

ドイツのテレリフト社が実用化した「テレリフト」について、当社はスイスの企業と技術提携を行い、1975年に大宮赤十字病院(当時)に国内1号機を納入しました。当時、看護師不足が社会問題になっており、その仕事量の約1割がモノを運ぶ作業に費やしていたことから搬送合理化の必要性が高まっていました。テレリフトを導入することで、病院でのカルテやX線フィルム、伝票、検体、薬品などの小物の搬送が自動化され、看護師はそれまで搬送に費やしていた時間を活用し、医療サービスの向上が図れるようになりました。
テレリフトは、物品を収納するコンテナと駆動部が一体化された自走台車式の搬送システム。水平・垂直・カーブ走行が可能で、多層階に渡り全長数kmにも及ぶ大規模なシステムの構築例もありました。
図書館(左)やオフィスビル(右)内で使用されるテレリフト
1978年には中央大学の中央図書館に日本初の書籍搬送システムとして採用され、図書館の運営効率化に貢献しました。さらに商社や銀行などで、オフィス業務の省力化のために広く活用されました。その後、カルテや帳票などの電子化に伴い、当社は2009年に生産を終了しましたが、このテレリフトの技術を応用して開発した「クリーンウェイ」は、現在、当社の主力製品の一つとして半導体工場で活躍しています。
- ※当記事は『日に新たなり ダイフク50周年史』などの内容をもとに再構成したものです。(敬称略)