環境配慮製品・サービス

基本的な考え方

ダイフクグループがお客さまを通じて社会に提供する製品・サービスは、電力や資源の利用によって地球環境に影響を与えています。国や組織の壁を越えた製品・サービスの環境配慮要請への対応が事業継続の上で重要な課題であると認識し、環境配慮製品・サービスの拡充を通じたお客さまへの提供価値の最大化を目指しています。

推進体制

サステナビリティ委員会の傘下に設置している「環境経営分科会」にて、製品・サービスを通じたCO2削減貢献、環境貢献物件、ダイフクエコプロダクツ認定などを対象に議論・検討を行っています。
2022年度より、環境経営分科会の傘下に製品評価プロジェクトを発足し、環境への配慮に加え、お客さまや社会への貢献も含めたより広いサステナビリティの観点から、製品価値の「見える化」に向けた検討を開始しています。

  • 2021年度まで設置していた環境配慮製品分科会と環境配慮業務分科会を統合
サステナビリティ委員会ー環境経営分科会ー環境負荷低減プロジェクト、製品評価プロジェクト
2022年度の推進体制

主な取り組み

ダイフクエコプロダクツ認定制度

2012年より独自基準で製品の環境性能評価・認定制度「ダイフクエコプロダクツ認定制度」を運用しています。本制度では、グループ全製品を対象に「電力削減」「リサイクル」「軽量化」「長寿命化」「梱包材削減」「節水」「騒音軽減」「水質汚染防止」「有害物質削減」についての性能とLCA(Life Cycle Assessment)の結果をグループ統一の基準に沿って評価しています。2022年5月現在、基準を満たした77製品を「ダイフクエコプロダクツ」として認定しています。

なお、2022年度より環境経営分科会の製品評価プロジェクトにて本制度の見直しを行っています。環境への配慮に加え、お客さまや社会への貢献も含めたより広い視点での製品評価軸の検討を進めています。

ダイフクエコプロダクツ認定制度の図

認定フロー

多様な観点から評価の妥当性や信頼性を確保するため、異なる事業部門の担当役員で組織する認定会議が審査します。

認定フローの図

2021年度認定製品

一般製造業・流通業界向けシステム

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半導体・液晶生産ライン向けシステム

  • クリーンルーム用搬送システム「クリーンスペースキャリア」(CSC/D8050MⅡ)

自動車生産ライン向けシステム

  • 分散型HID給電システム「D-HID」

洗車機・関連商品

  • ドライブスルー洗車機「トレウス」(TE7000)

電子機器(株式会社コンテック)

  • ボックスコンピュータ(BX-T3000)
  • Raspberry Pi 拡張ボード(CPI-DIO-0808L)
  • IP67対応電池駆動型BLE-LTEコンバータ(CPSB-BTM1-S011)

その他認定製品はこちらをご覧ください。

ダイフクエコプロダクツ認定製品売上高

  2019年度 2020年度 2021年度
認定製品売上高(百万円) 38,211 49,183 36,066
サービスを除く売上高(百万円) 334,794 354,502 376,268
売上高比率(%) 11.4 13.9 9.6
  • 当社の売上は、新規納入における売上とその後の保守・点検などのサービスにおける売上に大別されます。ダイフクエコプロダクツ認定製品の売上高比率には、全売上高からサービスの売上高を引いたものを使用しています。

CO2削減貢献量KPI

当社グループの基準に適合する環境配慮製品・サービスによって、製品稼働時のエネルギー使用によるCO2排出量を削減しています。CO2削減貢献量は、お客さまに納入した製品・サービスから排出されるCO2排出量を、基準年度である2011年度時点の製品・サービスによるCO2排出量から差し引いたものです。

  スコープ 2021年度
CO2削減貢献量 グローバル 69,694 t-CO2

環境貢献物件売上高比率KPI

ダイフクエコプロダクツ認定製品などを通じて、お客さまに環境配慮の面で貢献した物件(プロジェクト)の売上高比率は、以下の通りです。

  スコープ 2021年度
環境貢献物件売上高比率 グローバル 63%

LCA(ライフサイクルアセスメント)

当社では、製品が環境へ与える負荷をライフサイクル全体で把握し、環境に配慮した製品を継続的に開発するため、すべての開発製品に対してLCA手法による環境影響評価を実施しています。自社の製品を新旧比較することで、製品・サービスの環境配慮設計の高度化に役立てています。

事例紹介ケース自動倉庫「ファインストッカー」(H-P10)のLCA結果

ケース自動倉庫「ファインストッカー」は、少量多品種の不定形な製品や部品を「コンテナ」「段ボールケース」「トレイ」などの単位で、自動入庫・保管・自動出庫する製品です。H-P10はマルチテナント型物流倉庫に適した高能力機種で、本体を軽量化し特殊移載機により移載時間を短縮しました。

1. LCA算定範囲

  • LCA算定範囲の図
  • スタッカークレーン(算定範囲)

H-P10を構成するスタッカークレーンの部分について、「原材料採取」から「使用済み製品のリサイクルのための輸送」までを範囲とし、12年間分の入出庫動作を算定しました。

2. インパクト評価

下記グラフの6つの影響領域について、ライフサイクル段階別にインパクト評価を行いました。また、その影響領域別に新旧製品の比較を行いました。

ライフサイクル段階別 インパクト評価結果
ライフサイクル段階別のインパクト評価結果のグラフ
  • 「廃棄物」「水資源消費」については、素材製造・組立段階のインパクトが90%以上を占めました。
  • 「気候変動」「エネルギー消費」については、使用段階のインパクトが約70%を占めました。
  • 調査対象としたすべての領域で、輸送および廃棄段階のインパクトは小さいことが分かりました。
CO2排出量の比較(影響領域:気候変動)
新旧製品の比較のグラフ

原材料や部品点数、使用時の消費電力の削減などにより、H-P10は従来機種(R-F10)に比べCO2排出量が26%削減されました。