業界トップクラスの小回り性能を実現したフォークリフト型AMR「SOTR-F」
ダイフクは工場や物流センター向けに旋回半径が業界最小(当社調べ)の1mと、小回りを重視したフォークリフト型AMR「SOTR-F」を新たに開発しました。床、荷受け台、コンベヤとの間でパレットの移載が可能。有人フォークリフトなどで行っていた工程間搬送を自動化することで、省人化や作業効率の大幅な向上を実現します。開発の背景や製品の特徴について、営業部門の開発リーダーを務めた荒木邦弘に聞きました。
「SOTR-F」とはどのような製品でしょうか。自動化のメリットについても教えてください。
「SOTR-F」(Sorting Transfer Robot F)は、フォークリフト機構を有するAMRです。これまで有人で行っていた工程間の搬送作業などを代替し省人化を実現できます。センサーによる障害物検知や衝突防止機能で作業中の事故リスクの低減が可能になるほか、ヒューマンエラーを解消できるなどのメリットもあります。
業界最小の旋回半径と自律走行で工程間搬送を自動化
SOTR-Fの特長について教えてください。
SOTR-Fはアウトリガー構造※を採用することでコンパクトな車体にしたことに加え、スピンターン機能も取り入れ、業界最小の旋回半径 1mを実現しました。優れた小回り性能により、限られたスペースでも運用できます。その上、パレットは形状を問わず片面・両面いずれも対応可能で、床への直置きだけでなく、コンベヤ上や荷受け台への移載も行えます。定格荷重は1トンで、1,100mm~1,300mmサイズのパレットに対応しています。
- ※アウトリガー:車体の外側に張り出した支持脚で荷重を分散し安定性を高める仕組み
またSLAM制御による自律走行を採用し、運用負担の軽減を図りました。SLAM制御とは自己位置推定と周囲の環境地図作成を同時に行いながら走行する機能です。磁気ガイドや2次元バーコードによる外部誘導が不要で、構内に新たな誘導装置を設ける必要もありません。現場のレイアウト変更やマテハンの増設だけでなく、SOTR-Fの増車にも柔軟に対応できます。
本体の高さは、見通しの良い1,300mmに抑えることで、作業者の視界を確保し、安全性を高めました。さらに自動充電機能によって24時間無人運転も可能です。作業量の季節変動が大きい現場では、夜間はSOTR-Fを稼働させて、昼間は有人のフォークリフトを併用するといった柔軟な運用もできます。
「SOTR-F」を開発した背景を教えてください。
フォークリフトのオペレーターは高齢化に加え、若年層の成り手が減少しており、自動化ニーズが拡大しています。また製造業の現場では部品を床に直に置きたいというお声もあり、フォークリフト機構がないAGV・AMRでは対応できません。これらを踏まえて、限られた作業スペースしかなく、従来製品では導入できないお客さまでも自動化に取り組めるように、既存製品よりもコンパクトで小回りの効く「SOTR-F」の開発に至りました。
最大揚高は850mmで、ラックから直接入出庫できるほどの高さではありませんが、自動倉庫と連携することで、搬送と入出庫の一連の作業を自動化することが可能です。開発の出発点は製造業ですが、物流センターでも自動倉庫を導入されるケースが一般的になっていることから、流通業でも活用いただけると見込んでいます。フォークリフトの担い手確保が困難な状況は流通業も同様で、実際に多くのお声がけをいただいています。
画面を拡大してご覧下さい。
実際の現場ではどのようなシステム構成を想定していますか。
近年、製造業では部品の入荷から組み立てラインへの配膳、保管、出荷までの一連の自動化ニーズが高まっており、当社の搬送ロボットシリーズを活用することで自動化レベルを大きく向上させることができます。例えば、入荷されたパレットを作業者が検品し入庫待機エリアに直置きしておけば、そこに指示を受けたSOTR-Fが目的のパレットをすくい、自動倉庫へ搬送します。
次に、生産ラインの供給指示に従い、組み立てに必要な部品を自動倉庫から出庫します。そこから搬送物に応じて、1トンまで対応可能なパレット搬送・仕分けシステム「SOTR-L」や30キロまで対応可能なケース搬送・仕分けシステム「SOTR-M」が生産ラインへ供給。仕掛品は必要に応じて自動倉庫に一時保管。最終的に完成した製品は、自動倉庫からSOTR-Fが荷捌き場に搬送するといった流れです。
このようにダイフクでは製品ラインナップを拡充しており、2030年をターゲットに「完全無人化ソリューションの提供」を目指しているところです。今後も先端技術を積極的に取り入れ、お客さまごとに最適化した物流システムを提供していきます。
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パレット搬送・仕分けシステム「SOTR-L」
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ケース搬送・仕分けシステム「SOTR-M」
荒木 邦弘
イントラロジスティクス事業部 営業本部 支店統括部部長