ダイフク流課題解決日本初のごみ収集車洗浄装置で労働環境を改善(ミタカグループ様)

滋賀県湖南市で廃棄物処理事業を展開する株式会社ミタカグループホールディングス様(以下「ミタカグループ」)。これまではパッカー車(塵芥車)をはじめとする業務用車両を手作業で洗浄していましたが、ダイフクのごみ収集車洗浄装置を導入し、作業時間の短縮と従業員の負担軽減を実現しました。人手不足が深刻化する中、従業員が働きやすい環境の整備に注力するミタカグループ代表取締役の三峰教代様(写真右)に、業界の展望を伺いました。そして、営業を担当したダイフクプラスモアFB販売部のヴィクトルせつお(写真左)が、洗浄作業の自動化の意義をお伝えします。

ミタカグループの外観

ミタカグループと各社の役割を教えてください。

三峰(敬称略) 1978年に父が興した関西環境整備サービスを源流とする株式会社三峰環境サービスがグループの中核企業で、産業廃棄物と一般廃棄物の収集運搬を主に担います。収集対象は廃プラスチックやがれきをはじめとする産業廃棄物と、企業や集合住宅から出る可燃ごみを中心とした一般廃棄物です。他には廃棄物の処理や処分を担う株式会社MTKと、プラスチックのリサイクルを担う有限会社スリーピークスがあります。各社の役割を明確化してそれぞれが得意分野を磨き、グループ全体のブランディングにつなげたいと考え、2023年にホールディングス体制に移行しました。ミタカグループはグループ全体の管理業務を担います。

ダイフクのことはどちらで知りましたか。

三峰 2024年に東京で開催された「2024NEW環境展」でごみ収集車の内部洗浄装置「シャワーホッパー」を見て、パッカー車に特化した洗浄装置を作る会社があると知り、驚きました。ミタカグループでは廃棄物運搬用の車両を約40台有し、そのうち15台がパッカー車です。パッカー車は一般的な車両と違って、ごみを圧縮する機構を持つため内部が汚れるのですが、内部を洗う専用の装置は見た経験がなく“日本初”というだけあると感じました。これまで手作業で洗うしかなく、父から経営を引き継いだ母も生前「洗浄装置がほしい」と言っていました。

シャワーホッパーでパッカー車内部の洗浄作業を自動化

手作業で洗車すると、どのくらい時間がかかりますか。

三峰 パッカー車1台あたり約40分かかります。従来はスプレー式の高圧洗浄機で洗っていたのですが、特に内部は生ごみや紙といったさまざまなものがこびりつくので、洗浄中に汚水が跳ね返ってシャワーみたいに全身にかかってしまい、本当に大変な作業でした。

ドライバーは6時半から16時頃まで一日中外で収集作業をしています。月曜と金曜は特に忙しく、一日中、収集作業で走り回った後に洗車作業まで担うのは正直負担が大き過ぎますから、何とかしたいと思い、シャワーホッパーの導入に至りました。

ヴィクトル 三峰社長から「ダイフクさんが廃棄物の業界に注目してくれてうれしい」と言っていただいたのが、強く印象に残っています。2025年春には担当者の方々にダイフクの滋賀事業所にある洗車機展示場までお越しいただき、実際の製品が動くところを見ていただきました。一方で、私も手作業による車両洗浄の様子を見せていただき、その大変さを実感したので、シャワーホッパーとあわせてごみ収集車の外部洗浄装置「パラレルウォッシャー」も提案しました。

導入後、どのような効果がありましたか。

三峰 作業時間が劇的に短縮されました。シャワーホッパーの所要時間は1台あたり約10分、パラレルウォッシャーは車両が高圧水にかかりながら通過するだけなので約1分です。従来の手作業と比べて作業時間を30分も短縮できた上、内部洗浄時の汚水の跳ね返りもなく、心身共に負担が軽減されました。

興味深いのは、ドライバーがパラレルウォッシャーを出発前に使い始めたことです。以前は仕事だから仕方なくやっていた洗車作業を、「きれいな状態でお客さまのもとに行きたいから」と自然と業務に組み込むようになりました。また、今後は当社に廃棄物を持ち込む取引先にもパラレルウォッシャーを開放していく予定です。廃棄物処理+αのサービスとして喜んでいただけると思います。

内部を洗浄するシャワーホッパー
車両を走行させながらパラレルウォッシャーで外部を洗浄

地域との関係にも影響はありましたか。

三峰 汚れた車両が通ったり、臭いが強かったりすると、地域の方からのイメージが悪くなります。父の時代から地域との関係を大切にしていましたが、洗浄装置を導入した結果、より清潔な車両で作業ができるようになりました。また、汚れはさびの原因となるため、こまめに洗浄すればメンテナンス費用の削減や車両の耐用年数の延長にもつながるのではと期待しています。

人手不足時代に挑む廃棄物業界の新たな経営戦略

今回の洗浄装置導入の背景には人材確保の問題があると伺いました。

三峰 廃棄物処理はなくならない仕事ですし、コロナ禍の影響もあまり受けない安定した業界ですが、やはり人材確保には苦労しています。ミタカグループで保有しているパッカー車の運転には中型免許が必要になるため、若い方がすぐに乗務することはできません。現在は60歳に近い方もパッカー車の運転を担当しています。

当社の平均年齢は43〜44歳です。将来に向けて若い世代を迎え入れる必要があるため、労働環境の改善に取り組んでいます。一般廃棄物の収集部門では16時終業制度を導入しました。朝の出社は少し早めですが、16時に終わるのでお子さんのお迎えに行けると好評で、定着率も大幅に向上しました。さらに、休憩室の改善、食事の補助制度、有休取得率90%の達成といったさまざまな取り組みを進めるほか、社労士さんと相談しながら、ライフステージに合わせて働き方を選べるように柔軟な制度を作り始めています。

自動化や機械化についてはどうお考えですか。

三峰 人にしかできない業務は多々ありますが、自動化できる部分は積極的に進めるべきだと考えています。例えば、父の時代からミタカグループでは手積み作業を減らすために、ダストボックスを自動反転させる装置をパッカー車に備え付けています。今後、自動積み込みをさらに拡大させていくために、2025年には韓国の業務用ごみ箱メーカーと日本向けダストボックスを共同開発しました。これが広がることによって、女性や高齢者でも積み込み作業がしやすくなります。シャワーホッパーとパラレルウォッシャーを導入したのも同じ考え方で、人にしかできない作業以外は自動化やDX化で対応しないと難しい時代だと感じています。

ヴィクトル シャワーホッパーやパラレルウォッシャーに対し、現場の方々から「かっこいい」「会社の風景が変わった」とのコメントをいただきました。皆さんが会社や仕事を誇りに思う気持ちに、当社製品がほんのわずかでも貢献できていれば光栄です。

サーキュラーエコノミー実現に向けた廃棄物処理業者の使命

人材確保以外で課題に感じていることはありますか。

三峰 製品の作り方や捨て方の問題でリサイクルできないものは山ほどあり、ごみが毎日多く発生しています。ささいな印刷ズレを理由に大量の紙材を廃棄しているのも、本当にもったいないですね。ただ、最近は変化の兆しがあり、埋め立てる方が安くてもリサイクルを希望されるケースや、メーカー担当者からどうしたらリサイクルしやすいのかと相談されるケースも増えています。

とはいえ、現状は埋め立てられる製品の方が圧倒的に多いです。靴やマニキュア、電動のおもちゃのようにいろいろな素材を組み合わせた製品はリサイクルが難しい。毎日廃棄物を扱う私たちだからこそ、見えるものがたくさんあるので、社会全体に廃棄物の問題をどう解決するべきか、問いかけられる存在になりたいと思っています。

今後の展望を教えてください。

三峰 最近、米国では多くの職業がAIにとって代わられ、ブルーカラーの仕事が人気業種になっていくと言われているそうです。いかに時代が変わっても、生活する限り、ごみは生じます。廃棄物を扱う産業は必要とされ続けるでしょう。リサイクルやサーキュラーエコノミーに向けて取り組める分野も多く、廃棄物を扱う業界には今後も大きなビジネスチャンスがあると思います。

将来的には、日本の環境技術の海外展開も視野に入れています。その一環として、セブ島の孤児院でごみ拾いとプラスチックリサイクルのワークショップを行うほか、滋賀県立大学と連携して環境教育にも取り組んでいます。

ヴィクトル 当社としてもごみ収集車の洗浄装置の提案を通して、業界の発展と環境保全に貢献したいと思います。 シャワーホッパーやパラレルウォッシャーは、手洗いよりも水の使用量が少なくて済むので、作業する人だけでなく環境にも優しい製品です。

三峰 経済活動がある限り私たちのような会社は世の中に必ず必要ですが、本当の目標は、ごみが減り、リサイクルが進んで、環境に優しい社会になることです。廃棄物処理業者として、そういう社会づくりに貢献したいと思います。

株式会社ミタカグループホールディングス
代表取締役
三峰 教代 様

英国ニューカッスル大学大学院で通訳を学んだ後、外資系金融ソフトウエア会社にてシニアコンサルタントとして勤務。食や農に携わる仕事をするために故郷の滋賀に戻り、2011年に友人と農産物を扱う会社を興す。その会社を友人に承継し、家業のミタカグループに入社。2023年に現職に就任。

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