生産や物流を効率化するマテハンを学ぶ。ダイフクの子ども向け社会科見学

地域の企業や公共の施設などを訪問し学びを得ることを目的に、多くの小中学校で社会科の授業の一環として実施されている社会科見学。ダイフクでは、滋賀事業所内にあるマテリアルハンドリング(マテハン)・ロジスティクスの体験型総合展示場「日に新た館」で地域の小学生の社会科見学を受け入れ、物流やマテハンを切り口にモノづくりや情報通信技術のほか、自然環境の保全についても学べる体制を整えています。中学生の職場体験学習にも対応しました。次世代を担う子どもたちに新しい発見や豊かな発想が生まれる学びの機会の提供を通じて、地域に貢献していきます。
学習指導要領に沿ったコンテンツを提供

日に新た館は、ダイフクのマザー工場である滋賀事業所内にあり、マテハンが実際に稼働する様子を見学できる展示場で、1994年に開設しました。物流センターや自動車・半導体などの工場、空港向けの50機種以上の自社開発のシステム・機器を展示し、スタッフが来館者を案内します。
もともとはお客さまや物流関係者、社員の家族、地域住民らを対象に見学を受け入れていましたが2014年度から小中学生の社会科見学にも対応しました。その理由について、日に新た館運営グループの樫野由起子は「マテハンは、さまざまな業界で活用されている一方で、一般の方が目にする機会はほとんどなく認知度向上が課題でした。また普段目にしないからこそ、子どもたちにとっては大きな学びが得られると考え、社会科見学を受け入れることにしました」と説明します。

ダイフクの社会科見学プログラムは、展示物をただ見学するのではなく、文部科学省の学習指導要領に基づき、小学5年生で学ぶ社会科の「工業生産」や「情報社会」について理解を深めることを主目的に設計。学校の授業で紹介されることが多い自動車生産の工程や、生活に身近な商品が手元に届くまでの物流の過程などを、動画の視聴や実機の見学、スタッフの説明から学ぶことができます。
見学は約1時間をかけ、実機の操作も体験することができます。同グループの西本知子は「日に新た館のコンセプトは“見る・知る・ヒントをつかむ”です。参加したすべての子どもたちが途中で飽きることなく、今後につながるヒントをつかんで見学を終えてほしいという想いで内容を企画しています」と話します。近年は「自動車生産に欠かせない搬送システムだけでなく、その他の生産や物流を支えるシステムについても幅広く学べる」(草津市の小学校)などの理由から、地元の日野町だけでなく、町外の学校からも社会科見学先としてダイフクを選ばれるようになりました。
仕分けロボットへの商品の投入
システムと人手の荷揃えの速さ・正確さを比較体験
自動倉庫から荷物を出庫する際のPC操作
見学の前と後にも学びを
見学が充実したものになるよう、座学による事前学習プログラムも用意。自動車生産や物流の基本的な流れ・仕組みを、マテハンを提供するダイフクの視点から解説します。
「もしも物流(の仕組み)がなかったらどうなるのだろう?」
そして児童は、普段はあまり意識することがないこの問いにグループで話し合い、意見を発表します。
また後日には、学んだことの振り返りやアウトプットとして、新聞づくりを学校の授業で行います。「先生からご要望があり、子どもたちが見学で感じたことをまとめられるよう、新聞づくりを企画しました。事前の学び、事後の振り返りもしっかり行うことで、理解度と記憶への定着度合いの向上につなげたいと考えています」(樫野)
敷地内の自然環境を活かし環境保全も学ぶ
多人数の社会科見学は、地域にもよりますが受け入れ可能な施設が多くないことに加えて、移動に時間がかかるなど活動が制限される場合があり、大規模な学校ほど、なるべく1つの受け入れ先で多くを学びたいとのニーズがあります。また、学習指導要領では「持続可能な社会の創り手の育成」が明記されており、学校教育の中でSDGsの担い手を育成することが推進されています。
そのような中、ダイフクは、敷地面積が約120万m2に及ぶ滋賀事業所内で多種多様な自然環境や生態系の保全活動に長年取り組んできた知見を活かし、敷地内の自然環境を見学しながら環境保全について学べるプログラムを実施しています。担当するサステナビリティ推進部の三好順子は「社会や環境保全の次世代の担い手になる子どもたちの意識を高めるきっかけになれば」と期待します。

地域の子どもを地域で育てる。中学生の職場体験学習も受け入れ
また滋賀県では、地域の子どもを地域で育てていくという考えのもと、中学2年生を対象に5日間程度の職場体験学習に取り組んでいます。ダイフクもこの考えに賛同し、職場体験学習を受け入れており、生徒は日に新た館の仕事を体験。期間中、事業所内の見学を通じて物流やマテハンについての知識を深めるとともに、最終日には学校の先生らに展示場を案内し、マナーをはじめ、社会人に求められるコミュニケーションを学びます。このほか、日に新た館のスタッフが中学校に出向いてマナー研修も行っています。
ダイフクは、2027年度までの中期経営計画で取り組む重要課題の一つに「ステークホルダーコミュニケーションの充足」を掲げ、地域社会を含むステークホルダーとの対話を通じて、社会からの要請などを捉え、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。今後も教育現場の意見を取り入れ、充実したプログラムを提供し、地域に貢献していきます。
社会科見学や職場体験学習のお問い合わせは、下記のお問い合わせフォームまたは電話で受け付けています。
お問い合わせはこちらから
電話:0120-074-854(平日9:00~17:00)

樫野 由起子
株式会社ダイフク
日に新た館 運営グループ 係長

西本 知子
株式会社ダイフク
日に新た館 運営グループ 係長

三好 順子
株式会社ダイフク
サステナビリティ推進部 環境品質グループ