PROJECT
プロジェクトから知る職種間連携
クリーンルーム

世界的な半導体企業からの 高度でシビアな要求に、 オールダイフクで応えていく

半導体製造の自動化に欠かせないクリーンルーム向け自動搬送システムで多くの実績を誇るダイフク。グローバル企業のお客さまから新たな案件を獲得するべく、営業担当とエンジニアリング担当の三人の社員が現場でどのように奮闘しているのか、語り合ってもらった。

クリーンルーム事業部
エンジニアリング

R.N 2017年入社

就職にあたっては、社会から必要とされ続けるモノを提供する企業を志望し、さまざまな物流システムを手掛けるダイフクに入社。エンジニアリングに配属され、現在は台湾の半導体メーカーの案件を担当。

クリーンルーム事業部
海外営業

H.S 2012年入社

さまざまな業界にマテハンを提供し、縁の下の力持ちとして広く社会に貢献できることに魅力を感じてダイフクを志望。営業に配属後、現在は台湾の半導体メーカーを担当し、2021年より台湾の現地法人に駐在。

クリーンルーム事業部
海外営業

R.T 2018年入社

大学時代に海外留学した経験から、グローバルで活躍できる企業を志向し、なかでも海外比率の高いダイフクに注目。入社後は営業への配属となり、韓国の半導体メーカーのお客さまを担当。

営業とエンジニアリングが
タッグを組んで提案活動を推進

R.T

H.Sさんは現在、台湾に赴任していらっしゃるんですよね。

H.S

ええ。2年ほど前から台湾の現地法人に駐在し、台湾に本拠を置く世界的な半導体メーカーへの営業を担っています。こちらの半導体メーカーは、ダイフクと長年にわたってお付き合いのある重要なお客さま。現在も台湾国内で新たな半導体工場が建設されており、そこに導入する自動搬送システムの案件を獲得していくことが私のミッションです。受注に向けては、日本にいるエンジニアリングにお客さまの要望を伝え、それに沿って彼らが計画した機器の仕様とレイアウトをもとに提案活動を進めています。

R.T

台湾と日本では距離が離れていますが、エンジニアリングとの打ち合わせに支障はありませんか?

H.S

いまはオンラインで簡単にビデオ会議できる環境が整えられているので、日本側とのコミュニケーションはとてもスムーズですね。いつも密にサポートしてもらっています。

R.N

私は、いまH.Sさんがおっしゃったエンジニアリングに所属し、同じ台湾の半導体メーカーのお客さまの案件に関わっています。

H.S

R.Nさんは、私が担当している案件とは違うプロジェクトに関わっていますよね。

R.N

そうです。グローバルに事業を展開されているお客さまで、各地で半導体工場を建設するプロジェクトが進められています。現在、そのお客さまが日本国内に半導体工場の新設を計画されており、私は営業担当の方と協力しながら、そちらに導入する自動搬送システムの仕様の検討に力を注いでいます。

R.T

お二人は台湾のお客さまに関わっていますが、私が担当しているのは韓国の半導体メーカーのお客さまです。私の場合、日本から出張ベースで営業活動を行っているので、お客さまと直にコミュニケーションできる機会は限られています。ですから、短時間でいかにお客さまのニーズをつかみ、こちらの考えを理解していただくかが重要です。お客さまはみなさん頭脳明晰な方々ばかりですので、しっかりと準備して打ち合わせに臨まないと、その内容にご満足いただけません。出張時にはエンジニアリング担当の技術者も同行し、協力してお客さまと向き合っています。

R.N

確かに、海外のお客さまとの折衝は難しいですね。私も以前、韓国の半導体メーカーの案件を担当し、現地に出張してお客さまと議論を重ねた経験があるのですが、言葉の壁もあって、こちらの意図を正しく理解していただくのにとても苦労しました。でも、そうしたハードルを乗り越えてプロジェクトを進めていくことが、海外案件に関わる面白さだと感じています。
プロジェクトを成功させるために
設計や生産、工事担当も一丸となる

H.S

案件の獲得に向けては、営業とエンジニアリングが二人三脚でお客さまへの提案に取り組んでいますが、その裏では自動搬送システムを製造する工場サイドの設計や生産担当とも連携していますよね。

R.N

ええ。お客さまのニーズを満たす仕様を考えることが私の役割ですが、果たしてそれが技術的に実現可能なのかどうか、設計に常に確認しながら計画を進めています。難しい要求に対して、互いにアイデアを出しあって議論し、最適解を見つけ出していく。特にいま手掛けているのは、台湾の半導体メーカーのお客さまにとって初となる日本国内での新工場建設で、これまで海外案件ばかり手掛けてきた私にとっても初めてのチャレンジ。自動搬送システムも日本の法律や規則に適合させていかなければならず、設計担当と一緒に調査しながら仕様を固めているところです。

R.T

また、半導体業界は特に技術革新のスピードが速いので、私たちも応えていなかければならない点も、大変なことの一つですね。

H.S

その通りで、お客さまは一刻も早く新しい半導体工場を立ち上げたいとお考えなので、時にはタイトなスケジュールを要求されることもあります。昨今はコロナ禍の影響もあって、自動搬送システムに必要なパーツの調達が滞り、製造に支障をきたす事態にもたびたび陥っています。過去に手掛けたプロジェクトでは、パーツの入荷が遅れて「このままでは納期に間に合わない」という絶体絶命のピンチに直面。その時、工場および現場側がいろいろと知恵を絞ってくれて、そのパーツを抜きにして現場で工事を進め、あとから組み入れるという臨機応変な対応でなんとか無事にシステムを立ち上げることができた。その時はダイフクの底力を感じましたね。

R.T

H.Sさんのおっしゃる通り、営業担当者は受注後、プロジェクト全体を管理する立場に就くので、本当に多くの部署と関わることになります。私も以前、韓国の半導体メーカーの新規案件で、非常に厳しいスケジュールでシステムを立ち上げるプロジェクトを担ったのですが、工場の設計・生産はもちろん、現場の工事チームにも協力いただき、まさに一丸となってプロジェクトを完遂した経験があります。

H.S

営業担当者が、自ら工事の現場事務所に赴いて問題解決をサポートしていく機会も多いですよね。

R.T

そうですね。私も韓国への出張時は、現場事務所に出勤して工事メンバーと打ち合わせを重ね、納期を遵守するための方策を考えて一緒に実行に移していきました。当時は大変でしたが、プロジェクトを終え、お客さまにもご満足いただけた時は非常に大きな達成感がありましたね。

R.N

さまざまな関係者と協業して巨大なプロジェクトを成功に導いていくのは、やはり私たちの仕事の大きな醍醐味ですね。
お客さまからの厚い信頼が、
難題に挑むエネルギーに

R.T

先述した通り、ダイフクではさまざまな部署が職種や担当業務の垣根を越えて密に連携をしているおかげか、全社的に部署間の風通しもいいと思いますね。

H.S

入社数年の若手の営業担当者でも、他部署の上層部と気兼ねなくコミュニケーションをとっていますし、それはダイフクらしい企業文化ですね。

R.T

私も先日、韓国のお客さまから、いま進行している新規プロジェクトで「技術者を現地に派遣してシステム構築を技術的にサポートしてほしい」という要望をいただきました。私だけでは判断できず、それまでにいろいろな背景があったこともあり営業部長と相談のうえ、生産部の部長に直接電話して事情を伝えたところ、すぐに対応してくださいました。どんな相談をしても、きちんと受け入れてくださり、しっかりサポートいただけるので、仕事を進めるうえでとても心強いです。

H.S

あと、我々営業のモチベーションになっているのは、お客さまからのダイフクに対する厚い信頼。以前、台湾のお客さまが最先端の半導体工場を建設することになり、ぜひともダイフクが支援したいと提案に臨んだのですが、競合企業の価格攻勢もあってか残念ながら失注してしまいました。でも、日々ダイフク製品をご利用いただいている現場のスタッフの方々が「ダイフク製品のほうが機能も信頼性も高い」と強く推してくださって、逆転して受注になった。その一件は本当にうれしかったですね。

R.T

そうしてお客さまから評価いただけているのも、やはりこれまで数々のプロジェクトでしっかりと成果を出してきたからだと思っています。ダイフクの先輩方が、お客さまからの難しい要望に挑み、期待に応えてきたからこそ、若手の営業担当であっても大きな案件を信用して任せていただけます。そして、先輩方が築いてきた信頼を損なわぬよう、私たちもさらに努力していかなければならないと感じています。

R.N

私もそう思います。技術者としてのスキルを、もっと高めていかなければならない。自動搬送システムの仕様を考えるエンジニアリングの技術者は、当事業部が扱うあらゆる製品に精通しておく必要があります。そしてこのポジションは、技術的な思考で仕様をつくり上げ、それを携えてお客さまのもとに赴き、自らプレゼンして議論もする。多様な経験ができるので自分が絶えず成長している実感がありますし、これからさらに追求していきたいですね。

H.S

将来に向けても、さまざまなテクノロジーを支える半導体の重要性はますます高まっています。その進化も著しく、最先端の半導体工場を新たに建設するには1兆円規模の投資が必要とされる時代です。半導体工場にとって自動搬送システムはもはや不可欠であり、そのうちの数百億円をダイフクが受け持つことになる。本当にスケールの大きなビジネスを我々は動かしており、そのことに誇りを持って、これからもオールダイフクで半導体業界の発展に貢献していきたいですね。