Online Daifuku Report 2018

CEOメッセージ

代表取締役社長 下代 博
略歴
1983年、同志社大学卒業後、大福機工株式会社(現・ダイフク)に入社。FA&DA事業部で30年以上営業活動に従事し、営業本部長、事業部長、事業部門長、取締役 常務執行役員を経て、2018年4月より代表取締役社長に就任。

さまざまなお客さまの物流ニーズに応え
新たな「価値」を創造

ダイフクのポジショニング

多種多様なソリューションを提供

ダイフクは、マテリアルハンドリング(マテハン)システムの総合メーカーとして半世紀以上にわたり、お客さまの物流に対する要求に応えてまいりました。

マテハンシステムを構成する主要な製品を自社で開発、生産することにより、コンサルティングからアフターサービスまでの一貫した体制で、多種多様な業界のお客さまにソリューションを提供してきました。

おかげさまで、2014年度よりマテハン分野で売上高世界一を継続しています(米国Modern Materials Handling誌によるランキング調査)。今後もダイフクは、マテハン業界をリードし、お客さまの期待とニーズに応えられる存在でありたいと考えています。

中期経営計画「Value Innovation 2020」

2017年度の実績

2017年4月にスタートした中期経営計画「Value Innovation 2020」では、将来のあるべき姿への通過点として2020年度の目標を設定しています。

初年度となる2017年度は、受注高・売上高・利益ともに過去最高となりました。東アジアにおける半導体・液晶パネル業界の設備投資の活発化やeコマース関連の配送センター投資の大規模化、生産改革による原価改善などが寄与しました。

中期経営計画の目標数値と実績
  最終年度目標 2017年度実績
売上高(百万円) 420,000 404,925
営業利益率 8.0% 9.9%
ROE 10%以上を安定維持 17.7%
海外売上高比率 70% 67%

事業を取り巻く環境

eコマースの急成長により小口・個配化が進み、モノの動きが急激に増加しており、求められる物流システムの多様化・高度化が進んでいます。

新興国の経済発展などにより、モノだけでなく、ヒトの動きも活発になっています。世界の航空旅客数は2017年に40億人を突破し、2036年までに78億人に達すると予測されています(国際航空運送協会調べ)。

主要な移動手段である自動車についても、電気自動車の普及や自動運転に関する技術の開発などが進み、スマートモビリティ社会の実現に向けて大きな転換期を迎えています。

また、IoT・AIの普及によりデータ量が急激に増加すると予測されています(図:IDC調べ)。第5世代移動通信システムやビッグデータ市場の拡大で、膨大なデータ処理を可能とする次世代半導体や、高画質・高音質での視聴が可能な4K・8Kなどの大型・高精細パネルが普及することが見込まれます。

世界のデータ量
世界のデータ量推移予想グラフ, 出所:IDC 「The Digital Universe of Opportunities」より経済産業省作成

重点施策

産業構造の変革により商流も変化し、またそれにより新たな物流ニーズが生まれます。ダイフクは、IoT、ICT、AI等の新しいテクノロジーを盛り込んだ新たな“物流価値”を提供することにより、お客さまの求める「スマート ロジスティクス」の実現をサポートしていきます。

旅客の急増に伴う空港設備の更新・拡張、および通信技術を活用し利便性を高めたスマートエアポート化への需要が見込まれることから、当中期経営計画では、空港向けシステム事業を「一般製造業・流通業向けシステム事業」「半導体・液晶生産ライン向けシステム事業」「自動車生産ライン向けシステム事業」に次ぐ、第4のコア事業として確立することを目指します。

2017年度の海外売上高比率は67%となりましたが、今後さらに海外展開を進めて行く中で、海外グループ会社の重要性はますます高まります。当中期経営計画では、ローカル化とグローバル化のバランスが取れたグループガバナンスを追求し、新たにダイフクの一員となった海外の会社も含め、グループ全体でダイフクブランドの構築、一体感の醸成に努めるとともにそれぞれの地域に根づかせ、営業・生産・工事・サービスの自立化を進めます。

海外売上の拡大に対応するため、従前の日本を中心とした生産体制から、グループ全体の最適調達・生産体制に移行し、生産性・収益性の向上を図ります。海外の生産能力については、2016年に中国では従来の2.5倍規模に増強しました。2018年には韓国で1.5倍、2019年には米国で2倍に増強します。また、タイやインドでも拡充を計画しています。

さらに、納入先の増加に伴う海外サービス体制の強化については、特に、米国で訓練センターを開設し、高度なメンテナンススキルを持った人材の育成も推し進めます。

中期経営計画のテーマ
Value Innovation: 「事業領域」・新コア事業の確立、・既存事業の強化、・新規事業の創出。「収益性」・製品力の強化、・生産性の向上、・生産体制の強化。「経営効率」・ローカル化の加速、・一体経営の推進、・人的資源の有効活用。「ブランド力」・提供価値の変革、・社員意識の変革、・企業価値の向上。
中期経営計画の重点施策
1 お客さまが求めるスマート・ロジスティクスを提供, 2 空港向け事業を「第4のコア事業」として確立, 3 ローカル化とグローバル化の最適バランスを追求

企業価値を向上し、ステークホルダーの期待に応える

事業活動と社会的健全性の両立

ダイフクは成長性・収益性に加え、「環境」「社会」「ガバナンス」「安全」についても重要な課題であると捉え、取り組んでいます。

製品の機能改善・コストダウンとともに、省エネルギーや省資源などに取り組み、環境性能を高めた製品の開発も積極的に行っています。

多様化する社会要請やリスクへの対応力を高める経営を目指し、年齢、性別、国籍などを問わない、多様な人材が活躍できる組織づくりをグループ一体となって進めていきます。

また、2018年度からは独立社外取締役を3名体制とし、さらなる透明性の高い経営を目指してコーポレート・ガバナンス体制の充実を図っていきます。

さらに、安全は何物とも比べることができない唯一のものであると考えており、安全を事業活動の大前提として、何事にも「安全専一」という強い意志で取り組みます。

当社の目指す姿は、お客さまに最適なソリューションを提供する「バリューイノベーション企業」です。これからも、幅広い業界・業態の顧客層に、事業環境の変化に適応する物流ソリューションを提供し、お客さまの企業価値向上・成長を通して社会の発展に貢献してまいります。

CEOメッセージ
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