自動倉庫システムを強化し導入した中核拠点が始動。
物流体制の再構築により大幅な効率化を実現

スウェーデンに520店舗を展開し、4大食品スーパーの1つに数えられるDagab AB様(本社:ストックホルム)は2008年6月、本社近郊に「ストックホルム物流センター」を新設しました。
同社は、以前から物流改革に取り組んでおり、2006年には同国南部の都市イェーテボリの物流センターにパレット自動倉庫「コンパクトシステム(CS)」と高速搬送台車「ソーティングトランスビークル(STV)」を導入し、商品の入出庫能力を従来に比べ倍増するなど、大きな成果を挙げています。これに次ぐ新センターではCSの設備規模、システム能力を拡大し構築、北部エリアの商品供給を効率よく行えるようにしました。
最新のマテハン設備を有する2つの拠点を南北に配置した同社の新しい物流体制は、店舗に対する納品リードタイムの短縮、物流コスト削減などを実現したことに加え、将来的な物量増加にも対応できるものになりました。物流システムの構築は「ダイフク・ヨーロッパ」が手掛け、Dagab社の物流効率化に大きな役割を果たしました。

  • 幅28m、長さ102m、高さ15mのスペースに1万2,288パレットを格納。

    幅28m、長さ102m、高さ15mのスペースに1万2,288パレットを格納。

  • CSエリア。手前が入庫ライン。

    CSエリア。手前が入庫ライン。

格納数1万パレット級の自動倉庫、さらに、高能力の搬送システムでフローを最適化

6基の内2基は、ハーフパレットを奥行き2列で保管可能。スキッドパレットを 扱うため「ラックマスター(RM)」はダブルフォークタイプを採用。

6基の内2基は、ハーフパレットを奥行き2列で保管可能。スキッドパレットを扱うため「ラックマスター(RM)」はダブルフォークタイプを採用。

ストックホルムセンターは常温、冷蔵、冷凍の3温度帯の倉庫で構成されています。CSとSTVは、常温品の保管に採用しました。CSの規模は6基で、約1万2,000パレットを格納できます。ラックはユーロパレットのフルサイズ(900mm×1,400mm)、ハーフサイズ(900mm×700mm)どちらにも対応します。中でも2基はハーフパレットを奥行き2列に配置するダブルディープ式で、1間口にフルパレットの場合2つ、ハーフパレットでは最大4つが格納可能です。他の4基もハーフパレット保管への変更が簡単に行えるため、今後、ハーフパレットの流通量が増加しても、柔軟に移行することができます。また、CS内の在庫ロケーションをフリーロケーションで運用することにより保管効率を高めています。入出庫処理能力は時間当たり最大180パレットで、旧システムの2.4倍。イェーテボリセンターと比べても1.2倍に増強しています。STVは、1つの通路に2台のビークルを備えて処理能力を高めているほか、1台が停止してもシステム全体は稼働し続けるようにダウン対策としても考えられています。

入庫ライン(右)からSTVへ。

入庫ライン(右)からSTVへ。

システム導入により、センターでの物流フローは最適化されました。入荷した商品は入庫ステーションからコンベヤ〜STV〜CSへと自動で処理できます。また、CSを挟むように配置した2つのピッキングエリアへの補充品も自動で出庫され、作業者は出庫コンベヤからフォークリフトで所定の位置まで搬送するだけになり、大幅な省力化を実現しました。

既存設備の老朽化対策として、メイドインジャパンのマテハン技術を採用

Göteborg Distribution Center

イェーテボリ物流センター。RMは5台、高さは20m。

2,400m2の面積に9,690パレットを格納できる。RMは5台、高さは20m。

イェーテボリ物流センターは、スウェーデン南部に展開するすべての店舗をカバーしています。2006年8月、常温品の保管用にCSとSTVで構成した自動倉庫システムを導入しました。従来、常温品はセンターから10km離れた貸倉庫に保管していました。自動倉庫は使用していたものの、老朽化が進み入出庫処理能力が不足してきたことに加えて、将来的に見て保管能力も十分ではなくなっていました。そこで、物流体制の再編に着手。マテハンメーカー数社の提案の中から、経済性やシステム能力に優れたダイフク案を採用しました。
貸倉庫で行っていた保管を自社センターに取り込んだことにより、トラックによる横持ちは解消し、時間と経費を削減できました。また、新システムの稼働により、従来、時間当たり最大75パレットだった入出庫処理能力は、150パレットと倍増しました。保管能力も天井空間を余すことなく活用でき、センター内の限られたスペースでありながら今後の物量増加にも対応できるようになりました。

1つの課題から、統合的なシステムを提案。それがダイフクに決めた大きな理由です

ダイフクは、新しい物流プロセス案を提示してくれました。モノの流れやロケーションデータを検討し、新しい倉庫の条件に当てはめるという、詳細の分析法によるものです。提案には、貸倉庫で使用していたラックは状態が良いのでイェーテボリに移設し、4アイルに流用する、といった再編策も含まれていました。もちろんラック建設にはアイルの追加もあり、長期的な視点から保管能力を満たすなど、設備のアップグレードにおいて、最も近代化した戦略を提案してきました。(Operation Manager Mr. Christian Jensen)

< DAIFUKU NEWS No.192 (2009年10月)より >