Daifuku Report 2019
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世界に誇れる会社の「つまずき」の芽を 摘めるように尽力していきます 日頃は、企業関係専門の弁護士として、企業の買収・合併・分割(M&A)に関する支援や取引契約書の作成、不祥事・危機対応等を行っています。会社の不祥事や危機対応の案件は刻々と状況が変わる中で、会社のダメージを最小限にするために多くのことを考慮し判断していかなければならず、胃が痛くなるようなこともあります。M&Aの案件には緊急性の高いものが多く、夜中まで仕事になることもあり、子供が小さかったころには夜中に子供が泣くと「どの契約の件で泣いているのかな」などと寝ぼけながら思ったものでした。 ダイフクに対する印象は、実直・誠実で、本業を着実に行ってきた結果、品質が世界に認められて世界一になったという、日本が世界に誇れる会社だと思っています。就任後の印象は、社員の皆さまが本当に勤勉かつ誠実で優しいということと、事業が想像していた以上にグローバルであるということです。 社外取締役の役割は、会社が行おうとしていることに問題がある場合にストップをかけることが強調されますが、本来の職責は、企業の持続的成長の妨げになるような「つまずき」の芽を摘んでその企業を守ることであると考えています。そのために一歩離れながらも、一緒に考え、共に行動していくものであると考えます。 ダイフクは、事業が極めてグローバルであるのに対し、社員の皆さまの同質性が比較的高い会社のようにお見受けしており、それゆえ会社の中では常識になっていても、異なる視点から見ると、そうでもないといったこともあるかもしれません。したがって、そのような場面に遭遇した場合には、「それは違うのではないか」と指摘していきたいと思います。一方で、私の中の常識が、実は非常識であるということもきっとあると思います。私自身の見方や考え方が正しいのかということについても謙虚に見つめながら、職責を果たしていきたいと考えています。略歴1991年4月三菱商事株式会社入社1999年4月弁護士登録(第二東京弁護士会)1999年4月アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所2007年1月アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー(現任)2007年4月東京大学法科大学院客員准教授2012年11月株式会社ファーストリテイリング社外監査役(現任)2012年11月株式会社ユニクロ監査役(現任)2013年6月株式会社朝日新聞社社外監査役(現任)新任金子 圭子(2019年6月就任)53Daifuku Report 2019

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