Daifuku Report 2019
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 お客さまの課題は、かつての生産・販売競争だけでなく、多岐にわたります。環境に配慮したプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)へのシフト、IT化による自動車制御技術や自動運転技術、コネクテッドカー、ライドシェアといった変革に対応し、将来への成長に向けて戦略が転換されようとしています。それらが自動車の生産に及ぼす変化をビジネスチャンスであると捉え、生産の多様化や省人化に向けたシステムの提供や工程計画エンジニアリングを強化しています。生産計画からシステム供給までのフルパッケージソリューション提供を目指し、お客さまの優位性向上に貢献していきます。 当事業では、既存設備の改造工事・保守などのアフターサービスも重要な要素であり、売上高の45%以上になります。長年にわたるお客さまとの信頼関係を維持し、今後も長期的なリピートオーダーにつなげていきます。国内だけでなく、海外の納入資産に対しても「設備カルテ」を展開し、お客さまへの予防保全サービスを促進していきます。 世界の自動車販売台数は、2018年で9,500万台以上となりました(国際自動車工業連合会[OICA]調べ)。世界最大市場の中国は、今や販売台数全体の約3分の1を占めており、生産台数も2023年までの5年間で圧倒的に伸びる見込みです(下図)。米中貿易摩擦や英国EU離脱問題等の不透明な先行きが懸念される中、成長余地の大きな新興国、特にインド・アセアン諸国・アフリカなどでの需要も期待できます。 その一方で、自動車業界は100年に一度の変革期を迎えていると言われています。「CASE」—Connected(つながる)、Autonomous(自律走行)、Shared(共有)、Electric(電動)—をキーワードに、日系・欧州系の大手自動車メーカーをはじめ、主要な自動車メーカーがそれらを意識したビジネスモデルへ展開すべく、モビリティプロバイダーを目指す方向性を打ち出しています。取り組み市場環境自動車生産台数展望 2018年 ➡ 2023年(100万台)20.12.126.34.94.33.92.822.71.733.66.55.83.93.110.812.9欧州インド中国3.84.0韓国カナダ9.08.7日本アセアンメキシコブラジルアメリカ出所:Autofacts出所:富士経済乗用車・新車の販売台数29Daifuku Report 2019EV、PHV、HVの世界市場 2017(年)(万台)201820202022202520352020年以降は予測見込20192021202320303,000 2,000 1,00002035年市場予測EV:2,202万台PHV:1,103万台HV:785万台EVPHVHV

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