Daifuku Report 2019
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 半導体工場向け搬送・保管システムの需要は、リーマンショック以降、お客さまの最先端工場建設に伴い上昇基調を維持し、特に2017年以降は世界中のデータ量が大きく増加したこともあり、メモリー半導体のお客さまを主として急激に伸びました。米中貿易摩擦などによる短期的な調整があったとしても、人工知能(AI)・第5世代移動通信システム(5G)・自動運転技術の進展により最先端の半導体が今後も大量に必要になることから、中長期的にはさらに需要が拡大していくものとみています。 液晶・有機EL工場向けシステムの需要は、2017年より中国で集中的に大型液晶パネル工場が建設されたことから、いったん緩やかになると見込まれています。一方、スマートフォンへの採用が進む有機ELパネルは、液晶パネルに代わり中国で投資が活発化してきており、その需要は今後ますます拡大していくものと予測しています。 開発面では、低振動、高クリーン度はもちろんのこと、消費電力抑制の要望に応えて、従来比23%の消費電力ダウンを実現したGreen HID※システムが受注の決め手になるケースが出てきました。今後は、IoTやAI技術を活用した故障診断・自己復旧システムなど、「止まらない」システムの実現に向けた開発にも取り組みます。近年、主要なお客さまから相次いで優良サプライヤー表彰を受けています。今後は、設計から生産・工事部門まで横断的な品質管理体制を構築するなど、さらなる品質の向上に努めていくほか、日本・中国・台湾・韓国の4拠点が連携する生産体制を活かして短納期対応やコスト削減を一層推進します。取り組み市場環境45,000165,000030,00015,000202020132005202513213244,00044,000163,000163,0004,4004,400(年)(年)2020年以降は予測2020年以降は予測世界のデータ量(EB※)Daifuku America(オハイオ)ダイフク滋賀事業所(日本)台灣大福高科技設備(台南)Clean Factomation(京畿道)大福自動搬送設備(蘇州)主要拠点※1EB(エクサバイト)=1018B出所:IDC 「The Digital Universe of Opportunities」より経済産業省作成※非接触給電技術「High Eciency Inductive Power Distribution Technology」の頭文字をとってHIDと称しています 。27Daifuku Report 2019

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