Daifuku Report 2019
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ネット営業資産などについて論議を行っており、これが営業利益率・総資産回転率の向上につながり、継続的なROEの改善という成果になっていると考えています。キャッシュフローをグローバルでマネジメント 26カ国・地域に広がる当社グループの活動を財務面でマネジメントするためには、よりグローバルな視点で機会とリスクを見ていく必要があります。ネット営業資産の極小化によりグローバル規模でのキャッシュフローを最適化するとともに、国内外の会計基準等の変化を踏まえ、財務諸表に係る内部統制を一層強化することが財務戦略上重要であると捉えています。さらなる成長への投資 当社はまだまだ成長過程にあり、将来に向けた投資もしていかねばなりません。現在、マザー工場である滋賀事業所のほか、一般製造業・流通業向けシステムにおいて注力している米国・中国等で工場の拡張を進めています。中期経営計画最終年度の目標である売上高5,000億円に向け十分賄える生産体制だと考えていますが、さらなる成長に向けた投資については、事業や地域ごとの需要等を勘案しながら計画していきます。また、新たなソリューションの提供に必要な研究・開発はもちろん、AIによる画像処理やロボットハンドといった最先端の技術をいち早く取り込むためのM&Aも今後は欠かせないと考えています。 プラントメーカーとしての営業利益率10%は、かなり高い水準です。さらに上を目指そうとすれば、事業のポートフォリオを変えていく必要があります。このため、コンテックで行っている電子機器、洗車機、クリーンルーム搬送システムから派生した非接触充電システムや、空港向けのセルフ手荷物チェックインシステムなど、リードタイムが短く、売上額は小さくとも利益率の高いデバイス事業の育成・開拓にも注力していきます。好調な業績を背景に過去最高の1株当たり配当を実施 売上高・営業利益・経常利益・当期純利益のすべてが過去最高となったことに伴い、2018年度の株主還元として、1株当たり年間配当金90円(うち中間配当金30円)と過去最高の配当を実施しました。当社は、年間連結配当性向を連結純利益の30%を目標としています。今後も事業の成長による企業価値向上とともに、株主の皆さまへの持続的な還元を行いたいと考えています。 2018年度末で現預金が膨らんでおりますが、これは2017年度に行った公募増資で調達した資金を使い切っていないことによるものです。2019年度は、設備投資としては過去最大級となる167億円を投じる計画です。CFOとしての抱負 2018年には一時的とはいえ、株式時価総額が1兆円となりました。グループの従業員数は2019年度中に1万人を超える見込み(2018年度末は9,857人)で、まさに企業としての新たなステージに立ったという認識です。多様な人財が活き活きと快適に働ける環境を整備するとともに、RPA(Robotic Process Automation)の導入によりオフィスの生産性を向上させることも、人財を集めるのが難しい現状にあっては重要な投資です。 2019年5月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への支持を表明しました。CRO(Chief Risk Ofcer)を兼任する者として、気候変動がグローバルで事業にもたらすリスクと機会の分析を主導し、TCFD提言の枠組みに沿った形での情報開示を進めていきます。 今後もガバナンスとコンプライアンスを強化するとともに、株主・投資家の皆さまだけでなく、さまざまなステークホルダーとのエンゲージメントもさらに強化し、企業価値向上を図ります。15Daifuku Report 2019

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